ニュースリリース 2005年

『FASTKITエライザVer.IIシリーズ』並びに『FASTKITウエスタンブロットシリーズ』発売

2005年9月28日
日本ハム株式会社

『FASTKITエライザVer.IIシリーズ』並びに『FASTKITウエスタンブロットシリーズ』発売

日本ハム株式会社は、これまで販売していた『FASTKITエライザシリーズ※1』に比べ、加熱加工された食品からの検出率を改善した『FASTKITエライザVer.IIシリーズ※2』の開発を終了し、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社、日水製薬株式会社、及び和光純薬工業株式会社より販売を開始いたしました。
また、新たに開発したモノクローナル抗体を使用した確認検査キット『FASTKITウエスタンブロットシリーズ※3』の開発を終了し、アトー株式会社より販売を開始いたしました。

1.アレルギー物質を含む食品の検査について

『特定原材料』として『卵、乳、小麦、そば、落花生』について、2001年4月より表示が義務付けられています。これに伴い、衛生研究所や保健所などでは、2002年11月に示された厚生労働省医薬局食品保健部長通知『アレルギー物質を含む食品の検査方法について』(食発第1106001号)に従い表示内容の整合性を確認し、食品企業などへの指導が行われています。それに対し、食品企業などでは、この方法を元にして、表示内容の整合性確認や、製造工程におけるコンタミネーション防止を目的とした検査などが実施されています。

2.『FASTKITエライザVer.IIシリーズ』の特長について

タンパク質は一般的に加熱や加圧などにより、変性や他のタンパク質との結合が生じ、水に溶けにくくなることが知られています。そのため、従来の『FASTKITエライザシリーズ』では、製造工程を経た食品を検査した際に、特定原材料を含んでいるにも関わらず検出できない、もしくは測定結果が低くなるケースが認められていました。
新たに発売した『FASTKITエライザVer.IIシリーズ』では、不溶化したタンパク質を再度可溶化する抽出法を採用し、更に、検出に用いる試薬を改良することにより、加熱変性した食品からの検出率を改善しました。これにより、これまで偽陰性を示す可能性が高いとされていたレトルト食品、缶詰、及び焼き菓子などからの特定原材料の検出が可能となっています。
その他にも、従来の『FASTKITエライザシリーズ』では、405nmと450nmの2種類採用していた測定波長を450nmに統一し、希釈用緩衝液も全ての測定項目で統一化するなどの改良を行い、操作性の面に関しても改良されています。

3.『FASTKITウエスタンブロットシリーズ』の特長について

『FASTKITウエスタンブロットシリーズ』は、日本ハムにて新たに開発したモノクローナル抗体を使用し、卵成分である『オボアルブミン』、『オボムコイド』、乳成分である『カゼイン』、『βラクトグロブリン』をラインナップしています。
特異性に優れたモノクローナル抗体を使用することにより、偽陽性を減らすことが可能になり、かつスクリーニングキットである『FASTKITエライザシリーズ』および『FASTKITエライザVer.IIシリーズ』と異なる抗体を使用することにより、確認検査の意義をより高めることができます。

4.今後の販売展開について

日本ハムでは食物アレルギー物質を検査するキットとして、ELISA法(Enzyme-Linked ImmunosorbentAssay)による『FASTKITエライザシリーズ』とイムノクロマト法(Immunochromatography)を原理とする簡易キット『FASTKITイムノクロマトシリーズ※4』を販売し、食物アレルギー物質検査市場においてシェアNo.1を維持しています。
今後は、加熱加工された食品からの検出率を改善した『FASTKITエライザVer.IIシリーズ』を加え、2種類のELISAキット、1種類のイムノクロマトキット、及びウエスタンブロットキットの合計4種類の試薬の販売を行います。ELISA試薬については、『FASTKITエライザVer.IIシリーズ』への切替を推奨し、イムノクロマト試薬については、コンタミネーション防止のための製造工程管理用としての位置づけを強めていきます。
工程管理用のイムノクロマトキット、通知法に収載されたエライザキット、確認検査用のウエスタンブロットキット、これらアレルギー物質を含む食品の検査に使用する一連の検査キットを品揃えしたことにより、これまで以上に幅の広い情報提供が可能になりました。
今後は、販売体制の強化と、豊富な情報量を生かした食品企業の検査体制構築をサポートするためのコンサルテーションを充実させてまいります。

1)『FASTKITエライザシリーズ』は、厚生労働省医薬局食品保健部長通知「アレルギー物質を含む食品の検査方法について」(平成14年11月6日食発第1106001号通知)に収載されております。
2、3、4)『FASTKITエライザVer.IIシリーズ』、『FASTKITウエスタンブロットシリーズ』および『FASTKITイムノクロマトシリーズ』は、通知法に収載されておりません。

※ニュースリリース掲載時点の情報となります。今後、変更となる場合もありますのでご了承ください。