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手作り研究会
奥様重役卒業生(=ファミリー会)により、「手作り研究会」という同好会を結成しました。
そもそも「手づくりの良さ」とはいったい何なのでしょうか?
素朴、温かさ、本物志向、こだわり、安心…、思いつく言葉はいくつも出てきます。 例えば、売場で「手づくり…」とついた商品を見ると、何となく良いように思ってしまいませんか?
どうやら私たちは無意識に「手づくり=良い」と捉えているようです。
今の時代、支払いさえすれば手に入らないモノはないともいえるでしょう。そんな生活の中で「手づくり」の響きは人のぬくもりを感じるものの代名詞になっているのかもしれません。
研究会は「手づくり」を実際に体験することで、その良さは何なのかを体感することにしました。そして「手作り」と「市販品」、それぞれの理解を深めていきたいと考えています。
奥様重役卒業生とは?
vol.4 塩の科学 その2「塩の実験」

   
1.海水から塩を取りだす
前回の塩の基礎知識で塩の持つ特性について勉強しました。ここではそのことを実験によって確かめようと思います。まずはじめに海水から塩を取りだす実験をしました。

(1)相模湾の海水です。きれいに見える海水でも微細な砂やごみが混じっています。
ろ紙を使ってこれらを取り除き鍋で煮詰めていきます。


(2)鍋で最初の海水の量の10分の1になるまで煮詰めると、鍋の周囲に石膏質ができ始めました。表面には塩の結晶も見えています。ここまでの工程を荒炊きといい石膏を除去してさらに煮詰めます。


(3)最初の海水の量の40分の1になれば出来上がりです。この中には苦汁を含んでいるのでろ過をすることで、塩だけが取りだせます。出来上がった塩は湿った、まろやかな味でした。



2.塩の脱水能力を調べる

塩のもつ脱水作用についてキュウリを使って実験しました。
1sのキュウリが入ったビニール袋を二つ用意します。片方のキュウリには30gの塩をまぶしました。もう一方のキュウリには塩を加えず、2.5sの重石(結構重いですよ)を乗せました。約3時間後、塩をまぶしたキュウリからはたくさんの水分が出て、ビニール袋に溜まっていました。一方の重石をしたキュウリからはまったく水分は出ていませんでした。
このことから、塩には強力な脱水力や浸透力があることが分りました。また、2〜3%の塩分があれば、長期保存の漬物はともかく、浅漬けをつくるには十分であることも実証できました。

塩をまぶしたキュウリ(奥)と重石を乗せたキュウリを前に参加者の質問が続く。
塩をまぶしただけのキュウリの袋にはご覧のように水が溜まっている。

3.塩の味、塩水の味を比べる
同じ海水からつくられる塩でも、粒の大きさ、水分、苦汁の量などの違いで多くの種類があり、売られている値段にも幅があります。これらによって塩味に違いがあるのでしょうか。又その違いは何が要因なのでしょうか。塩の官能検査をしてみました。
(1)粒の大小による塩味の比較です。
少量ずつスプーンで口に入れました。塩化ナトリウムの純度は同じです。
粒の大きさ 塩辛いと感じた数
微粒(150μ以下) 8人
大粒(710〜800μ) 3人

この結果から、小さい粒は一度に早く溶けることにより辛さを強く感じる。一方大粒の方は徐々に溶けるので弱く感じるということが分かりました。

(2)苦汁を含む塩味の比較です。(粒状)
少量ずつスプーンで口に入れました。
  塩辛い 苦い
A(塩化ナトリウム99%の塩) 12人 1人
B(塩化ナトリウム95%で苦汁を含む塩) 1人 10人


単独では分からないほどでも、比較することで苦味ははっきりと感じられました。
苦汁はそのほとんどが塩の表面にあるため、苦汁を多く含む塩を舐めた時最初に苦味を感じやすいということでした。

(3)苦汁を含む塩味の比較です(水溶液)
少量ずつスプーンで口に入れました。
  塩辛い 苦い
A(塩化ナトリウム99%の塩) 6人 6人
B(塩化ナトリウム95%で苦汁を含む塩) 3人 10人

前の結果と比べると、塩を水に溶かした場合、特徴が分かりにくくなるということが分かりました。つまり調理などに使った場合はそれほどの違いは出ないかもしれないということです。
これらの検査は少人数で1回だけ行なったものであり、大雑把な結果ですが塩味の感じ方には個人差があるということも分かりました。


4.塩と電気の関係を探る

ちなみに、この研究所を見学にきた小学生に、最も人気なのが塩を使った数々の実験だそうです。私たちも小学生に戻ってワクワク気分です。

(1)塩水は電気を通すか
電池とLED電球をつないだ電線の両端を最初に真水を入れたコップに入れます。LEDは発光しません。真水は電気を通さないようです。
次に塩水に変えて同じ実験をすると点灯しました。これで塩水は電気を通すことがわかります。その原理はイオン交換膜法で述べたように、塩は水に溶けると(−)電気を持つ塩素イオンと、(+)電気のナトリウムイオンとになり、これらのイオンが電気を運ぶ役割をするのです。


右側のライトが点灯して塩水の伝導性が確認できた。

(2)塩水で電気を作る
一端にアルミ板を、他端に銅板を取り付けた電線で塩水の入った2つのコップを橋渡しにします。アルミ端側のコップに銅板の付いた電線を入れ、銅端側のコップにアルミ板の付いた電線を入れてブザーに繋ぐと、ブザーが鳴ります。塩水のコップを増やして行くとブザーの音も大きくなりました。塩水の入ったコップが電池になったのです。



   
5.塩でアイスを作る

小学生にも今回の主婦たちにも一番の人気はシャーベットづくりでした。 用意するのは大きめのボールと塩、氷、水、それにお好みのジュースです。
作り方はボールにカップ1杯の水を入れ、そこへ氷、塩の順に入れてかき混ぜます。2〜3分でボールの氷の温度はマイナス10〜13度と急降下です。この中にジュースを入れた容器を入れ中身をかき混ぜます。
2分ほどでジュースはシャーベット状になり出来上がり。
口にした全員が「おいし〜い!」。塩は氷の温度を10度以上も急速に冷やす力を持っているのです。

せっせとかき混ぜると見る見る白く凍り始める 。
試食の伴う実験はどこでも大人気。

次回、塩製造工場の見学に続く