日本ハム株式会社

ニッポンハムグループ
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Episode Story 05 生命の恵みに、感謝して。

Episode Story 生命の恵みに、感謝して。

ハム・ソーセージの製造から始まったニッポンハムグループの事業は、今では食肉をはじめ、加工食品、水産物、乳製品、天然系調味料、健康食品など、「たんぱく質を、もっと自由に。」をスローガンにたんぱく質の可能性を広げていき、食に関するあらゆる分野へと広がっている。
当社、日本クリーンファームは、ニッポンハムグループにおいて豚の飼育・生産を担っており、全国20を超える農場(預託農場含む)で生産し、年間出荷頭数は60万と国内屈指の規模となっています。
安全・安心でおいしい豚肉の供給に努め、2005年には、食肉の安全性と品質基準を守る外部認証機関SGSより、国内の養豚場で初めてSQF(safe quality food)という認証を取得しました。また、代表ブランド「麦小町」をはじめ、「知床ポーク」や「高城の里」という当社独自のブランド豚も生産しています。
この日本クリーンファームで飼育に携わっているのが「長浜」である。

※SQFは安全で高品質な食品を意味し、安全を確保するHACCPの手法と品質管理システムであるISO9001の要素が取り入れられた国際規格で、第三者の審査機関によって定期的な審査が義務付けられており、1年に1度再認証登録が行われることで、信頼性が保証されています。

肉豚の始まり「分娩」。

私が働いている三戸農場では総飼養頭数約18000頭の豚を飼養しており、現在25名が働いています。
豚の生産部門は、交配、分娩、育成、肥育の4つのステージから成り立っており、私は、このうち分娩を担当しています。分娩は母豚から産まれた仔豚が母乳を飲んで成長し、離乳していくまでの30日間となります。
生まれたばかりの子豚の体重はたった1.5kgですが、1カ月後の離乳時には4倍以上の7kg以上になります。母乳には仔豚を病気から守ってくれる免疫成分が含まれており、肉豚として育っていくための、最も繊細で大事な期間であり責任重大です。
また、仔豚だけではなく母豚の体調管理も重要です。
分娩後3日間ほどは母豚の体力・免疫ともに低下するので、注意しないと体調を崩してしまいます。母豚が体調を崩すと仔豚も乳を飲めず、体調を崩してしまいます。母豚が水を飲み、餌を食べてもらうことで、親子そろって元気に暮らしていけるのです。
分娩前や子育て中の母豚はとても神経質になっており、母豚と管理者との信頼関係がとても大事です。豚は犬と同じで嬉しいとしっぽを振るのですが、母豚が自分の顔を見てしっぽを振ってくれた時は私も一緒に嬉しくなります。
命の恵みの始まりである「分娩」。母子ともに健康に暮らせる環境を築いています。

1日たりとも同じ日はない。

豚は動物の中でも特にストレスに弱い動物といわれおり、少しの温度変化や環境の変化などで、食欲がなくなったり、病気になったりすることもあります。そのため毎日豚の健康状態には気を付けています。
育つ環境によって豚の健康状態は大きく変わり、豚の肉質や成長にも影響するため、いかにストレスを少なくして、健康に育てられるかが重要となります。
そのためには、清潔な空気、餌、水、適切な温度・湿度管理など豚が気持ち良く生活できる環境を整えることが大切です。常に餌箱が清潔に保たれているか、水が必要な量飲むことができるか、気持ち良さそうに過ごしているかを注意して観察しています。
また私が働いている三戸農場は日々の寒暖差、季節ごとの気温差が大きい地域であるため、夏場、冬場の環境調整や朝晩の豚舎環境には特に神経をとがらせています。

豚の健康を守る、徹底した防疫体制。

豚は病気に非常に弱い生き物です。豚の病気を予防するためには、豚舎環境の管理はもちろん大切ですが、それと同時に農場外からの病原体の進入を防ぐことも大切です。豚を疾病から守るため、従業員は農場への入退場時にシャワーイン・シャワーアウトを徹底し外部からの病原体の侵入を防いでいます。また農場への搬入物や業者車輌の消毒を厳重におこなっています。
病原体の常在化を防ぐために、豚舎内の水洗洗浄、消毒、石灰散布も徹底して行っており、常に豚舎は清潔な状況に保たれています。

出荷までいかに少ないストレスで過ごせるか。

どんなに豚の状態に注意して育てていても、豚の健康状態が悪くなることはあります。そんな時は、豚舎の環境設定が最適だったのか、どこに問題があったのかを考えます。症状がひどい場合は薬剤治療を行い対応します。そして状態が落ち着いたときは嬉しいですし、ほっとします。
常に豚が穏やかに、そして健やかに過ごせるように環境を整えることが私たちの使命であり、責任であると実感する場面でもあります。
豚を快適な環境下で飼育し、ストレスや疾病を減らすことは、結果として安全な畜産物の生産にもつながることになります。
日本クリーンファームでは母豚がストレスなく行動できるよう全ての妊娠舎のフリーストール化を進めています。
豚を一番に考え育てていくことは、結果として私たち生産者だけでなく、消費者のみなさんの安全・安心にも繋がっているのだと信じています。

「食べ物」であるという責任。

最近、自分の農場の豚肉を食べて頂いた方の感想を聞く機会があり、その時に「甘みがあっておいしく、また買ってみたい」という話を聞き、とても嬉しく思いました。普段ずっと農場の中にいるため、直接お客様の声というものを聞く機会があまり無かったので、この時は自分の育てた豚がお客様に喜んでもらっているのだと実感しました。また、自分の育てた豚が食べ物となってみなさんの口に入っていくものだということを、強く意識するようになりましたし、より一層豚肉の品質と安全にこだわり、自覚と誇りをもって仕事に取り組もうと思いました。また、その役割を自分が担っていることに、大きな責任とやりがいも感じています。

ストックマンプロへ。

最初は分からないことばかりだった養豚の世界でした。
仔豚や母豚のことを考えて仕事をしていくうちに、楽しいことも、難しいことも色々ありました。後輩もでき、これからはさらに豚のこと理解していくために他のステージの仕事も覚えていきたいと思っています。
それぞれのステージにより豚は最適な餌や環境など様々ですが、生まれてから出荷まで、全ての段階で豚の管理ができるような社員になることが目標です。
常に豚の立場にたつという意識を持ち続けて、今何が必要なのか、何をすればいいのかを考えながらストックマンプロとして成長していければと思っています。

日本クリーンファーム株式会社
生産飼育 分娩舎担当 ※取材当時
2021年入社

長兵 衛※仮名