ROTARY 2021年夏号
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15①工場では1日に約800頭の牛がと畜され、各種牛肉商品が製造されている。②熟練の技術を持つスタッフにより各部位に迅速にカットされる。③品質スタッフによる検品。で保管される。その後、最新鋭のカットラインで分割、整形が行われる。箱詰めされた商品はコンテナに積まれ、世界中へ運ばれてゆく。「BPUが送り出す牛肉のうちウルグアイ国内向けは2割弱、輸出が8割強になります。日本は中国、EU、米国などと並ぶ主要輸出先です。ここの倉庫から日本へは、およそ60日かけてお届けしています」(三村CEO)世界で望まれる牛肉を日本人スタッフが丁寧に管理 輸入牛肉といえばオーストラリア産や米国産が主力だった日本にとって、ウルグアイ産ビーフは2019年2月に、19年ぶりに解禁された新興勢力でもある。にもかかわらず大きな注目を集めているのは、なんといっても厚みのある赤身肉の美味しさに、日本でも気づいた人が増えたからだろう。「ウルグアイの牛は体格が小さいため、盤面が小さくなりその分厚さが取れるのです。私自身、ウルグアイに来て改めて、牛肉は厚みがあるほうがステーキとして堪能できると思っています」(三村CEO) その注目のウルグアイ産ビーフに目をつけている日本企業は複数ある。だが、BPUはウルグアイ唯一の日本資本の会社で、工場に日本人スタッフが常駐しているという点は他には見られない。「ウルグアイの現地スタッフは牛肉を食べ慣れているだけでなく、アサード(ウルグアイ式バーベキュー)のシェフとして一流の腕を持つ人もいます。彼らが持つ牛肉についてのノウハウを発揮してもらい、日本では当然とされる品質管理を日本人スタッフが中心になって整え、力をあわせて精度が高い規格の商品を生産できるのがBPUの強みです」(三村CEO) ウルグアイで驚かされたのは、牛肉の美味しさだけでなく、陽気な現地スタッフが発揮する仕事への熱意と集中力だ。「誰にでも作れるような商品を大量に生産するのではなく、BPUの牛肉だから欲しいと言われるようになりたいと彼らに話したところ『世界で通用する商品を』と、実に熱心に仕事に励んでくれています。加工品になってもウルグアイのナチュラルビーフ、BPUの牛肉を使っていることが日本の皆さんにとって品質への信頼になるような、世界の消費者に響くような存在になりたいと、現地スタッフたちと課題に取り組む毎日です」(三村CEO) 日本の牛肉ブームは様々な局面を経て、成熟の時期にさしかかりつつある。時差12時間の南米ウルグアイから、BPUは日本の食卓を彩る新しい美味しさを届けている。Breeders & Packers Uruguay S.A.(通称:BPU)設立:2010年 (2017年ニッポンハムグループ入り)所在地: ウルグアイ・ドゥラスノ県従業員数: 約800名(日本人駐在員4名) *2021年6月現在事業内容:牛肉パッカー(輸出:83%)外部認証:Animal Welfare/AMI FSSC 22000     BRC version8 grade AA+工場内の自社ラボで、細菌検査等さまざまな検査が行われる。①②③

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