ROTARY 2021年夏号
2/24

2食から みえること巻頭エッセイ⑭江上料理学院・院長 江上栄子 コロナ禍で、間違いなく増えていることに「我が家の食事」があります。そこで思い出す言葉があります。「〝なんば作ろうかな〜〞てゆうて、迷うことはなか! 家族の顔ば一人ずつ思い出して、そん人が喜ぶごつすっと、よかばい」(「なにを作ろうかな〜」と迷わなくてもよい。家族の顔を一人ずつ思い出して、その人が喜ぶようにするとよいのです)。これは私が22歳で結婚した時の姑、江上トミのアドバイスでした。そして永年守ってきて改めて「なるほど」と思わせる考え方でした。 つまり夕食は、家族の好物を順番に献立にすると公平で変化に富むというのです。例えばある日、男の子の好物のコロッケとキャベツのスープ、トマトとハムのサラダにすれば、彼は大いに満足し、笑顔で食べてくれるでしょう。次の日はパパの日です。「あさりとわかめのぬた、鯖と厚揚げの生姜煮、アスパラガスとベーコンのチーズ焼き」。やや多めに作ればおつまみにも適応します。また次の女の子の日には、その好物を……という風に考えるのです。もちろん予算悩まない献立づくりイラストレーション/阿部真由美

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る