ROTARY 2021年夏号
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6持ちで取り入れられてはいかがでしょうか。器は手持ちのもの、料理は普段のおかずでよいのです。厚手の土物の器に根菜の煮物を盛るとします。冬はたっぷりの量をこんもり盛って温かみを演出、夏は少しの量を風通しよく盛って緑の葉を添えれば涼やかさを演出できます。日本人には、意識せずとも自然を尊ぶ感性が息づいているものです。わざわざ遠出をしなくても、近所の公園や通勤途中の草木に目を留めるだけで自然の色、四季の変化は楽しめるもの。ほんの数分のことですが、心を開いてほっとするひとときを大事にしたいものです」お弁当の差し色は緑、白、黄が基本 コロナ禍の影響でお弁当作りを始めた人が増えているという。そしてお弁当作りの悩みのひとつに色合いを挙げる人は多い。 味はもちろん、落ち着きがあるのに気分が上がる彩りも魅力で、口コミやSNSで〝幻のロケ弁〞と人気なのが料理人の山本千織さんが手がける〝chioben(チオベン)〞だ。特にモデルや女優などからの評価が高く、ロケ時に指名されることも多いという。 そんな絶大な支持を集める山本さんにお弁当の彩りの極意をうかがった。「〝茶色いお弁当〞という言い方がありますが、全体が茶色くなってしまうことで悩む方が多いみたいですね。簡単な解決策としては、青菜など緑色のおかずを茶色いおかずを分断するように入れていくこと。これで少し明るい印象になります。さらに明るく見せたいなら白、黄色を入れるのがおすすめです。手軽なのはなんといってもゆで卵。半分に切って入れれば、ぱっと明るく仕上がります」と山本さん。 最近、山本さんが気に入っているのは水切りした豆腐をオイル、しょうが、塩で調味した白和え衣のようなドレッシング。好みの野菜を和えてサラダ代わりにするほか、ゆでたフォー(米粉の麺)と白いかまぼこを和えてもよく、アレンジしやすい一品だ。ゆでたじゃがいもをつぶして甘酢のような味付けにし「道端にひっそり咲く花にも目を向ける好奇心、自然を感じる心を持っていると食卓を演出する感性も養われます」と江上先生。 2008年、赤系やピンク系の商品が並ぶハム・ソーセージ売り場において、突如青色のパッケージが現れた。その名は「新鮮生活ZERO」(現ヘルシーキッチンZERO)シリーズ。日本ハム㈱が、ハム・ソーセージ業界初の“糖質0(ゼロ)”を実現した商品である。“糖質0”商品化の前、日本ではメタボリックシンドロームの予防と改善のために「特定健診・特定保健指導」制度の実施が医療保険者に義務づけられ、人々の健康志向の高まりが急速化していた。酒類・飲料業界を中心に“0(ゼロ)商品”ブームも広がりつつあった。 日本ハムでは糖質0の商品開発にあたり、水あめや砂糖などの糖質の働きがなくともハム・ソーセージの味をまろやかにし、食感がやわらかくなめらかになるよう、研究を重ね、味の調整を何度も図った。 こうして開発された糖質0商品は健康志向のニーズに合った機能性に加え、青色パッケージの斬新さも相まって発売当初から脚光を浴びることになる。「発売前はパッケージの“色”について社内で賛否両論ありましたが、ファーストエントリーの強みを今後に生かすために、印象に残るデザインカラーを押していこうと決断しました」(日本ハム㈱マーケティング推進部) 発売から13年。現在「ヘルシーキッチンZERO」シリーズは、アイテム数も拡充し人気ブランドとして成長を遂げている。パッケージは発売時から変わらず青を基調としたカラーで展開。食品売り場においてこの青色が、お客様においしさと糖質0を約束する目印としての役割を果たしている。赤系のハム・ソー売り場で成功した青色パッケージ

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