ROTARY 2021年秋号
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日本ハム北海道ファクトリー株式会社旭川札幌富良野13 旭川空港に到着すると聞こえてくるアナウンス「北海道の『へそ』へようこそ」という言葉通り、旭川市は、北海道のほぼ中央に位置している。日本ハム北海道ファクトリー㈱は、この大雪山や石狩山地の裾野に広がる町で、1961年、日本ハム㈱の前身である徳島ハム㈱旭川工場として産声を上げた。以来約60年間、道内向けのハム・ソーセージのコンシューマ商品のほか、こだわりのギフト商品の製造を展開してきた。現社名となったのは2008年、そして2021年5月に新工場を建設し、大きな節目を迎えた。観光の思い出づくりや地域活動に貢献したい 旧工場の3・7倍という敷地に構える北海道発のものづくり魂を大切に地域に開かれた新鋭工場として再スタート日本ハム北海道ファクトリー株式会社   取材・構成/横森 綾  撮影/桜井ひとし新工場の生産能力は年間5,000トン。2年後には6,000トンを目指している。「避難安全検証法」を採用し、全電灯LED照明や燃料のLNG化を実現、さらに効率化ボイラーや全エリアオイルフリーコンプレッサーを導入、冷蔵庫等も地球温暖化係数の低い冷媒を採用した。生産設備では高速スライスライン、ソーセージ自動箱詰め装置、加熱後の急速冷却ラインを導入している。 同社の道浦卓二代表取締役社長は、竣工したばかりの新工場について、「ニッポンハムグループの工場を新しく稼働させてきた経験から得られた、さまざまな長所を反映して新工場プロジェクトは進められました」と話す。「小さなところにも目を配り、現場の『こうありたい』という声をすくい上げた工場になったと思います」 たとえば、品質保証課の検査室に隣接して設けた冷蔵庫は、製造ラインから検査にまわすサンプル品を専用に保管する一室。これまでは製造ラインと検査室の間を検査案件の度に行き来しなければならなかったが、このような動線の無駄を取り除くことでミスや事故の防止につなげている。小さな改善を重ねてマイナスを防ぐための労力を減らせれば、よりよいもの、新しいものを生み出す力が蓄えられるというものだ。 そして何より、「動物園通り産業団地」にある新工場を訪れると、フェンスがなく景色がひらけて気持ちいい。「工場は一企業のものですが、地元の皆さんにも親しんでもらいたいと思い、思い切って塀もフェンスも設けませんでしNIPPONHAM GROUP事業所探訪日本ハム北海道ファクトリーから徒歩10分ほどの近距離にある「旭川市旭山動物園」は、動物の自然な生態が見られることで有名。

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