ROTARY 2021年秋号
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14た。コロナ禍の今は難しいですが、地域のお祭りやイベントのときにこの敷地を活用してくださいと、地域の各方面にお声がけをさせてもらっています。そして工場前の道が旭山動物園へ続く通りということから、観光でいらした皆さんの旭川の思い出のひとつに、工場がある景色も残っていてほしいと願っています」(道浦社長) また、訪問者向けの「見学コース」を2階に整備し、順路通りに進むと、ガラス越しに各製造工程を見下ろしながらハム、ソーセージ、ベーコンの歴史や作り方を学べるようになっている。「新型コロナウイルス感染症が収束したら、ぜひ多くの方に来ていただきたいです。地元の学童などの社会科見学の定番コースにもしていただければと思います」大量生産と多品種少量生産の両立を実現 チューブ内を泳いで上昇するアザラシや、ダイナミックに水に飛び込むシロクマなど、行動学的展示で知られる「旭川市旭山動物園」は、新工場から東へ徒歩10分ほどの旭山山麓にある。「園内のさる山から工場が見えます」と教えてもらった通り、工場の全景を手前に、北海道最大の盆地である上川盆地を見渡せる。「北海道のほぼ真ん中にあるということは、様々な北海道の畜産原材料を入手しやすいということでもあります」と道浦社長が言うように、四半世紀以上前から同工場で製造している「八雲ユーラップ」シリーズは、道南にある農場の豚を、「北海道プレミアム」シリーズは北海道内の豚を使用している。「八雲ユーラップシリーズは25年以上かけて育んできたブランドです。味のベースは当初から変わっていませんが、時代の好みに合わせて変化させており、昨年は、封を切ったらすぐ食べられるソフトサラミを新アイテムに加えました」 後発となる「北海道プレミアム」も、全国の皆さんが手に取りやすいようにと包装形態をリニューアルした。「真空タイプのパッケージにして30日だった賞味期限を40日に延ばしました。本州方面に出荷するときに、これまでよりも余裕を持って提供できるようになりました」 さらに贈答向けの高級品だけでなく、「シャウエッセンR」や「豊潤R」、「彩りキッチンR」など、道内向けのコンシューマ商品も数多く製造しているところから、日本ハム北海道ファクトリーの底力がうかがえる。「ニッポンハムグループにはハム・ソーセージ工場が13ありますが、そのなかでも、これだけ多品種の製造をしているところは珍しいです。ナショナルブランドの大量生産型の商品だけでなく、オリジナルのこだわりの商品も作って、どちらが主流というのではなく、その両方に軸足を置いている。だから、この工場ではいろいろな経験が積めます」 本州などから訪れた人が皆、圧倒される北海道の広大な景色のように、住発売から15年を迎えた人気のギフトシリーズ「美ノ国」から、お中元シーズンに限定販売されて好評だった「美ノ国 骨付きハム」。日本ハム北海道ファクトリー㈱代表取締役社長 道浦卓二全国的にファンも多い、日本ハム北海道ファクトリー特製の商品シリーズ「八雲ユーラップ」シリーズ(写真・上)と「北海道プレミアム」シリーズ。

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