ROTARY 2021年秋号
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を、もっと自由に。日本ハム株式会社代表取締役社長畑 佳秀https://www.nipponham.co.jp/fun/message/詳しくはホームページへ。対談動画もご覧いただけます。■生年月日:1958年5月20日 現在63歳■出身地:兵庫県丹波篠山市■経歴:1981年4月 入社2018年1月 代表取締役社長に就任2018年1月より現職に就き、以来、ROIC経営を推進する。この度、持続可能な社会と企業を実現するため、Vision2030を掲げる。事業戦略とサステナビリティ戦略の一体化によりグループの価値向上を目指す。生きる力となるたんぱく質の可能性を、もっと自由に広げたい。渋澤氏 Vision2030「たんぱく質を、もっと自由に。」には、どのような思いが込められているのでしょうか。畑社長 私たちは、企業理念に 「食べる喜び」を掲げています。食べる喜びは、食を通してもたらされる「おいしさの感動」と「健康の喜び」を表しており人々の幸せの原点だと考えています。これまでの事業価値向上の取り組みにプラスして、サステナビリティ戦略による社会価値向上の取り組みを推進していく。そして、生きる力となるたんぱく質の可能性を広げたい。環境・社会に配慮しながらたんぱく質の安定供給を行い、人々が食をもっと自由に楽しめる多様な食生活を創出していきたい。そんな思いが込められています。渋澤氏 2030年には地球の人口は約85億になると予測され、たんぱく質が足りなくなる懸念があります。そうした中、「もっと自由に」としたのは、どんな意図があるのでしょうか。畑社長 たんぱく質は私たちの体の全体の5分の1を占めており、体の重要な構成要素をつかさどっています。生きる力であり、豊かな食生活に欠かせない大切な物質であるたんぱく質を環境・社会に配慮しつつ、安定的に供給したい。さらには、 高齢者やアレルギー疾患など食に課題をお持ちの方にも楽しんでいただけるよう食の選択肢を増やしていきたい。 時代の要請に合わせた食べる喜びを追求し、皆様が食をもっと自由に楽しめる多様な食生活を支え続けたいと考えています。渋澤氏 食品業界のリーディングカンパニーがそうした姿勢を打ち出すのは素晴らしいことですね。先ほどサステナビリティというキーワードが出ましたが、経済成長だけを目指せばよかった20世紀と違い、現代は地球のことも考える必要がある。 その点についてどう思われますか。畑社長 まさに、渋澤様の高祖父である渋沢栄一さんの「道徳経済合一」の理念だと思います。常に社会貢献や多くの人々の幸せを追求しながら、同時に利益を上げていく。 サステナビリティ経営を推進することで、私たちの存在価値も高まると考えています。渋澤氏 渋沢栄一は、 社会課題の解決と事業成長を同時に追求することを『論語と算盤』と表現しました。道徳と経済は両立しなければならず正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができないと言っています。つまり、現在のサステナビリティという考え方を主張していたのです。持続可能な社会の実現に向き合う二人のトップに迫った。16

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