ROTARY 2021年秋号
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たんぱく質 シブサワ・アンド・カンパニー株式会社代表取締役コモンズ投信株式会社取締役会長渋澤 健■生年月日:1961年3月18日 現在60歳■出身地:神奈川県 逗子市■経歴:複数の外資系金融機関及びヘッジファンドでマーケット業務に携わり、2001年にシブサワ・アンド・カンパニー株式会社を創業し代表取締役に就任。2007年にコモンズ株式会社(現コモンズ投信株式会社)を創業、2008年に会長に就任。経済同友会幹事およびアフリカ開発支援戦略PT副委員長、UNDP(国連開発計画)SDG Impact Steering Group委員、東京大学総長室アドバイザー、成蹊大学客員教授、等。著書に「渋沢栄一100の訓言」、「SDGs投資」、「渋沢栄一の折れない心をつくる33の教え」、「超約版 論語と算盤」、他多様化するニーズに合わせて、もっと、食の自由を広げていきたい。畑社長 ニッポンハムグループは1942年の創業以来、ハム・ソーセージに始まり、13の事業に領域を広げてきました。さらなる発展を目指し、既成概念にとらわれず、お客様の期待を超える独創的な商品、サービスを提供することで、新たな食文化を創造したいと考えています。また、Vision2030には、社員一人ひとりがビジョンを追求していくなか、「どのようなことに挑戦するのか」、 また「どのようになりたいのか」、自分自身の将来像を描いてほしいと思います。さらに成長するために、もっと自由な発想で積極果敢に挑戦しよう! そんな思いもメッセージに込めています。渋澤氏 「たんぱく質を、もっと自由に。」というビジョンは、社員へのメッセージでもあるのですね。畑社長 そうです。私たちが事業領域を大きく広げることができたのもチャレンジ精神の成果です。同時にお客様の声に真摯に耳を傾けることを重要視しています。多様化するお客様のニーズをもっときめ細かく把握するため、3年前にライフスタイル研究室を立ち上げました。ここでは、生活者全体を調査・分析する活動を行っており、商品開発を含めた事業活動に反映しています。だれ一人取り残さない。それは、 SDGs共通のゴール。渋澤氏 大いに共感しました。Vision2030 「たんぱく質を、もっと自由に。」 の実現に向けて、具体的な戦略をお聞かせください。畑社長 いくつかありますが、一つ目の取り組みとして、たんぱく質摂取の選択肢拡大です。大豆や野菜、穀類など植物性たんぱく質及び培養肉などを用いた食とサービスを提供していきます。二つ目は食物アレルギーなど食についての課題へのお役立ちとして、業界に先駆けてその研究に着手してきました。食物アレルギーをお持ちの方が摂取できる「みんなの食卓シリーズ」の供給をはじめ、まだ発症していない特にお子様に対する予防食の開発を進めており、食物アレルギーをお持ちの方を取り残さないという姿勢を貫いています。三つ目は、健康寿命の延伸のための取り組みです。鶏のムネ肉に多く含まれているイミダゾールジペプチドと運動パフォーマンスの関係を研究し、スポーツドリンクとして商品化しています。さらなる研究からイミダゾールジペプチドには認知症予防に効果があることを突き止めました。既に特許を取得しており、商品化を進めています。四つ目として、当社の強みである食肉事業のバーティカル・インテグレーション・システムの持続可能性を高めていきます。ひとつの例としてスマート養豚の研究を進めています。 画像解析・AIを活用し効率性・生産性の向上や人材不足への対応にもつながります。 畜産業界の発展にも貢献したいと考えます。 これらの取り組みにより、社会・環境課題の解決及び皆様のQOL向上に貢献してまいります。渋澤氏 ビジョンを理想とするだけでなく、しっかりと実現するための施策を見据えていらっしゃるわけですね。これからの発展が非常に楽しみです。畑社長 ありがとうございます。事業戦略とサステナビリティ戦略を一体化させ、100年後も愛され、選ばれる企業を目指してまいります。17

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