ROTARY 2022年新春号
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資源循環二酸化炭素太陽光バイオマス発電所電力焼却灰光合成飼料鶏ふん(焼却)吸収発生発生発生肥料サーマルリサイクル化石燃料使用量の低減鶏ふん焼却による畜産業の安定的成長カーボンニュートラルCO2フリー10分の1に減量化リン・カリウムのリサイクル日本ホワイトファーム㈱宮崎事業所大分市宮崎市みやざきバイオマスリサイクル㈱宮崎県循環型エコシステム21NIPPONHAM GROUP事業所探訪子高生たちが〝映える〞とこぞってスマホのカメラを向けた韓国料理「チーズタッカルビ」も鶏肉メニューだ。そして2020年のコロナ禍以降はフライドチキンやから揚げの売上が好調で、その人気は衰えそうもない。養鶏業界を悩ます鶏ふん余剰問題 鶏肉の需要が高まり、世界で増産が望まれる一方で、どうしても避けられない問題がある。養牛や養豚と同様、養鶏も畜産業のひとつとして環境負荷の問題を指摘する声が年々、大きくなっているからだ。 鶏の飼養羽数が都道府県別で全国一である宮崎県に事業所を置く日本ホワイトファームも、早くからその問題に向き合ってきた。「当社はここ宮崎県日向市のほか、北海道の網走市と厚真町、青森県横浜町にある4事業所において、鶏の育成、処理、加工事業を展開していますが、宮崎県では鶏ふんの処理について、早くから業界全体でさまざまに試みてきた取り組みがあります」 と話すのは、日本ホワイトファーム宮崎生産部の戸髙 操部長。 いまSDGsという略称でよく話題にされている、「持続可能な開発目標」は、2030年までに人類が安定して暮らせる世界を目指す国際目標であり、2015年、その具体的な項目が採択された。実はこの採択の10年以上も前から、宮崎県の養鶏業界は、鶏ふん処理について持続可能な開発に取り組んできたというのだ。「鶏の飼育過程で生じる廃棄物、とくに鶏ふんをどう処分するかは、大きな課題で悩みの種でした。臭いがしますし、温度が上昇すると発火してしまうことがあるので、保管もままなりません」(戸髙部長) 普通ならば手を組まない競合相手と助け合わなければならないほど、その処理については業界全体が切羽詰まっていたと戸髙部長は続ける。「当社が関わる分だけでも年間で約5万トンの鶏ふんが発生します。かつてはそれらを発酵させて土壌改良用の肥料へ加工して処理していました。ですが、この肥料が必要になるのは作物の収穫後から植えつけ前という時期だけです。その季節をはずれると、鶏ふんの行き場がなくなるという状況でした」(戸髙部長)日本ホワイトファーム宮崎事業所から車で約30分、宮崎県川南町にある「みやざきバイオマスリサイクル」

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