ROTARY 2022年新春号
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空気ボイラー水蒸気消石灰タンク燃焼ガス飛灰コンペア炉底灰コンペア押込通風機鶏ふん受入建屋鶏ふんトラック養鶏農家トラック消毒装置鶏ふん貯蔵ヤード鶏舎23日本ホワイトファーム株式会社 宮崎事業所設立:1995年4月所在地: 宮崎県日向市美々津町2277番地従業員数:533名(2021年12月時点)事業内容:鶏の育成・処理・加工年間処理能力:2,250万羽NIPPONHAM GROUP事業所探訪穀物を育てるのに役立ちます。そして、取れた飼料を鶏が取り入れ再び鶏ふんが……というように、厄介もの扱いだった鶏ふんの有効な利用方法が生まれたことで、循環型エコシステムが構築されています。このシステムで生まれる電気を、みやざきバイオマスリサイクルが世に送り出しています」(戸髙部長)水の再利用の実現も見据えてさらなる目標設定へ 発電機の出力は1万1350キロワットで、発電所内で使用する電力を除いた約9000キロワットを売電している。「売電によって得た収益は、未来の設備入れ替え費用として蓄えられています。これも循環していますね」(戸髙部長) こうして日本初の鶏ふん発電所により、先駆的にCO2削減を進めているが、解決したい課題は今も少なくない。「養鶏はどうしても水を大量に使います。たとえば出庫のあと鶏舎内を水洗いして消毒しますが、このときに使った水は汚水槽にいったんためられて、浄化槽で水質基準にかなう状態にしてから川へと流しているのが現状です。法律も守っていますし環境負荷も低減させていますが、将来はさらにシステムを進化させて、再利用水として使用できるようにしたいと考えています」(戸髙部長) 目標は達成したら完了と考えてしまいがち。だが持続可能な社会の構築に終了宣言はおそらくないし、満足しないことが、未来を切り拓いていくのだろう。日本ホワイトファームが地域と取り組む挑戦は、次の段階へと、確実に歩みを進めている。<鶏ふん受入建屋>1日約500tの鶏ふんを受入。建屋内の臭気を吸引してボイラーで焼却。<鶏ふん貯蔵ヤード>含水の違う鶏ふんを混合して均一な状態にする。燃焼の様子。<ボイラー> 焼却能力は440t/日。鶏ふん焼却によるクリーンな発電システム

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