ROTARY 2022年初夏号
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実はここにもたんぱく質!自分に必要なたんぱく質の量を知ろう!藤田 聡ノースカロライナ州ファイファー大学スポーツ医学・マネジメント学部卒業。南カリフォルニア大学大学院博士課程修了。博士(運動生理学)。運動生理学を専門とし、老化とともに起こる筋量と筋機能の低下(サルコペニア)に焦点を当てた骨格筋たんぱく質代謝についての研究を行っている。最近メディアでも取り上げられることが多い「たんぱく質」。毎日の食生活に積極的に取り入れるように意識している方も多いはず。でも、そもそも「たんぱく質」って何モノなのでしょう? 今回は、食材に含まれるたんぱく質に焦点を当てます。立命館大学スポーツ健康科学部教授の藤田聡先生にお話をお伺いしながら、たんぱく質について解説していきます。立命館大学スポーツ健康科学部教授● 運動習慣がない場合体重kgg1日に必要なたんぱく質量g● 週1回以上の運動習慣がある場合体重kgg1日に必要なたんぱく質量g● 70歳以上の高齢者の場合体重kgg1日に必要なたんぱく質量g免疫詳しい体へのたんぱく質の役割は、次号で解説!体に侵入した異物を排除する働きのある免疫細胞、免疫力を担う抗体もたんぱく質からできています。エネルギー源炭水化物、脂質と並ぶ三大栄養素として、1gあたり約4kcal相当のエネルギー源になっています。すい臓糖質、脂質、たんぱく質を分解する消化液、ホルモンを分泌します。血糖値をコントロールするインスリンもたんぱく質の一種です。肝臓肝臓で分泌されるアルコール分解酵素はたんぱく質を材料にして作られます。舌味を感知する受容体はたんぱく質でできています。甘味、うま味はそれぞれに対応する受容体があります。目水晶体の構成成分で、クリスタリンというたんぱく質が合成されることで、透明なレンズ核が作られます。涙の成分ムチンの合成にも必要です。口腔唾液に含まれる酵素の一種「リゾチーム」の材料となります。口腔粘膜のすべりをよくする成分にも必要です。脳脳の活動に必要なドーパミンやセロトニンなどの脳内ホルモンの材料に。不足すると集中力ややる気の低下を招きやすくなります。どうしてたんぱく質が必要なの?人によって必要なたんぱく質量は違う?筋たんぱく質の合成が最大に達する(上限)量は体重1㎏あたり0・4g。体重60㎏の場合は1食24gとなる。*週1回以上、運動をしている人は、体重1kgあたり1.62gのたんぱく質を摂ろう!活動量によって1日に必要なたんぱく質量に10~22gの幅があります12

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