ROTARY 2023年春号
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新入団選手の皆さんにどのような食事指導をしましたか?若手選手たちへはオフ中どんな指導をしましたか?キャンプ訪問ではどんな点をチェックしましたか?年明けの新人合同自主トレ開始直後に食事調査と、講習会、アセスメント結果(体組成、体づくりの希望、嗜好など)を活用した個別のカウンセリングを実施しました。例年キャンプ後に行っていましたが、キャンプでの緊張感や周りからの刺激を受けて、トレーナーと栄養士とのカウンセリング前から独自に体づくりを始める選手がいたことから、球団の要望を受けて、今年はキャンプ前に行いました。 食事調査は、まず選手が自由にバイキングから選択した食事を撮影したものを栄養士に送ってもらい、その食事内容の評価を伝えました。講習会の初回の内容は「入団後に受けられる管理栄養士からのサポートの内容」のほか、「食事の基本」と「春季キャンプでの注意事項」について、2回目は「喫煙とアルコールがアスリートのパフォーマンスに与える影響」についてです。時折クイズ形式にしたところ、皆さん積極的に答えてくださいました。カウンセリングでは、食事に関する心配事などを話し合うことで課題解決し、2月からのキャンプを良い状態で過ごしてもらえるようにしました。知識が得やすくなっているためか、近年は高卒選手でも食事に対する意識が高いです。しかし、体づくりのためにたんぱく質を含むおかずは少しで、ごはんを大量に食べているケースも少なくないようです。また、食事量は例年入団時が一番よく食べて、それが疲れや環境への慣れからなのか、徐々に減ってしまいがちです。特に朝食はそれが顕著ですね。オフ前に若手選手(高卒4年目、大卒・社会人2年目まで)のカウンセリングを、栄養士とトレーナーで行いました。オフ後から来季のシーズン終了までの体づくりの目標値を設定し、その目標値や食事調査結果に合わせて、栄養士は食事(補食含む)スケジュールの立案や、食事における増量・体脂肪コントロールのポイントなどをアドバイスしました。オフ中も栄養士から定期的にメッセージを送っており、選手から自主的なメッセージが届くこともありました。例えば「寮にいる間、毎日食事写真を送るので、確認してほしい(畔柳亨丞選手)」「外食時の食事のエネルギー量が大丈夫か見てほしい(柿木蓮選手)」といった内容です。メッセージと一緒に食事の写真が届くので、栄養計算を行い、アドバイスをプラスして返信しました。吉田輝星選手や万波中正選手からは、体組成データが届くこともあり、目標値の達成に向けての変化を一緒に喜び、アドバイスを返信しています。食環境の整備と、現地で直接選手の質問に答えたり声掛けをしてほしい」という要望があり、栄養士2名で、名護(1軍)と国頭(ファーム)を訪問しました。ファームのキャンプは事前にメニューをチェックしていましたが、1軍キャンプの食事メニューについては、ここ数年は栄養士が介入していなかったため、選手の満足度も含め、改善点を探してチームに共有しました。実際に現地に行ってみると、さまざまな改善点が見つかり、メニューで摂れる栄養素を書いたポスターを見やすい位置に貼ってほしい、用意されたパンに脂質が多く含まれているものがあり、一部を食パンにしてほしいと現地スタッフの方にお伝えしました。送られてきたメニュー表や写真を見るだけでは気づけない改善点が、いろいトレーナーから「今年はキャンプテーマ北海道日本ハムファイターズの栄養サポートを行っている日本ハム(株)中央研究所の管理栄養士が、アスリートの食と健康に関する情報についてお伝えします。今回は、オフ中に体づくりに取り組むファイターズの選手たちのために行った栄養指導の詳細と、ファイターズの春キャンプでの食事についてです。また、オフの過ごし方について、ファイターズの北山 亘基選手が語ります。日本ハム(株)中央研究所 管理栄養士「北海道日本ハムファイターズ」および「セレッソ大阪アカデミー」のチーム・クラブの選手育成の一環として、科学的知見に基づくスポーツ栄養サポートを行うほか、地域活動として各地で成長期の子どもたちや保護者、指導者に食事をとること、食事を楽しむことの大切さを伝える食育セミナーなども開催している。現在3名の管理栄養士が活動中。       18たんぱく質が支えるスポーツ栄養学からみる、食と健康春季キャンプの食と体づくり

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