ニュースリリース 2004年

日本ハムグループ企業倫理委員会の解散についてのお知らせ

2004年7月23日
日本ハム株式会社
代表取締役社長 藤井良清

関係各位

日本ハムグループ企業倫理委員会(高 巌 委員長)は、本日開催されました第17回委員会において、当初の目的を達成したため、本日を以って当委員会を解散するとの決議を行い、弊社取締役会に対してその旨ご連絡がございましたので、ここにお知らせいたします。

当委員会には、平成14年9月10日の発足以来、これまで1年10ヶ月以上に亘り計17回の会合を開催していただき、数多くのご提言、ご指導を賜りますとともに、社内の様々な行事、研修などにも積極的にご参画いただき、当社が再スタートするに当たり、企業風土の刷新と経営改革の推進に多大なご尽力とご支援を賜りました。

当委員会解散後の体制といたしましては、社長を委員長とするコンプライアンス委員会が、グループ全社のコンプライアンス活動を指導、監督いたします。
なお、このコンプライアンス委員会は社外取締役の早川祥子氏を副委員長とし、社外から企業倫理の専門家にも委員としてご参画いただいております。

弊社といたしましては、今後とも企業倫理委員会からいただいたご提言とご指導の精神をベースに、グループ役職員一同一丸となって透明性の高い経営、事業活動に取り組んでまいる所存でございます。

以上
 

【ご参考:企業倫理委員会(敬称略、順不同)】
高 巌委員長(麗澤大学国際経済学部教授)、犬伏 由利子氏(消費科学連合会副会長)、
海原 旦氏(公認会計士)、下村 満子氏(ジャーナリスト)、本井 文夫氏(弁護士)、
秋山 光平氏(全日本ハム労働組合委員長)

【コメント】
日本ハムグループ企業倫理委員会の解散にあたって・・・
日本ハムグループ企業倫理委員会 高委員長

日本ハムグループ企業倫理委員会の解散にあたって

日本ハムグループ企業倫理委員会
委員長 高  巌

2002年9月、日本ハムグループは自らの経営体質を抜本的に改革するため、社外の弁護士、公認会計士、消費者代表、労組委員長など6人から成る企業倫理委員会を設置しました。以後、同委員会は17回の会合を開催し(臨時の対策委員会も含めれば、20回を越えます)、コーポレート・ガバナンス、幹部人事、企業倫理研修、報告相談制度、監査およびコンプライアンス体制など幅広い分野に関し、助言、勧告を行ってきました。
社外委員が中心となった本委員会からの助言や勧告は会社側にとって時に厳しいものであったと思います。しかし、グループ最高経営責任者である藤井社長はいずれも前向きに受け止め、これらを着実に実行に移してきました。また時に委員会の助言や勧告を越えるような取り組みまで自ら積極的に推進してきました。その意味で、本委員会は、藤井社長のリーダーシップを高く評価しており、またその決意と姿勢も風化することなく、後継者や若手に引き継がれていくものと実感しています。

会社側のこうした取り組みに刺激され、本委員会も、助言や勧告が単なる会議室内の議論に終わらないよう、委員一人ひとりが、幹部や一般社員との対話、議論の機会を持ち、グループの教育研修に可能な限り参加してきました。2002年9月から本日まで、本社および関係会社で実施されたコンプライアンスや企業倫理に関する社内研修は、1,704回にのぼり、これに参加した役職員数も延べ49,170人となっています。その努力は、日本では他に類を見ないほどのものであったと言えるでしょう。

この2年間の取り組みで特に強調したいのは、グループの若手社員が中心となり、数ヶ月間、熱心に議論を繰り返し、グループをどのように変えていくかを真摯に考え行動に移してくれたことです。彼らの議論は本社および関係会社の「行動規範」としてまとめられ、今、グループの精神的支柱となっています。言うまでもなく、これらの行動規範は、グループのコンプライアンス体制および社会責任体制の中に組み込まれ、日々の実践につながる形にまで高められています。
もっとも、私は、委員長として「今後、日本ハムグループで働く社員2万8千人全員が常に一糸乱れず行動規範に従って行動する」などと言うつもりはありません。人間の組織である限り、残念ながらそこから外れてしまう人も出てくるでしょう。これは大学組織であれ、弁護士事務所であれ、消費者団体であれ、また報道機関であれ、どのような組織でも起こり得ることです。本委員会が日本ハムグループに関して高く評価している点は、何か問題が起こった時に、それを隠さず主体的に公表するという姿勢が社内にしっかりと根付いたことです。つまり、会社として、どこに軸足を置くべきかが定まり、それがぶれなくなったということです。

確かに、本委員会のこうした評価に対しては「2002年9月以降も、日本ハムグループ内の不祥事が新聞などに取り上げられているではないか」「これで本当に改革は進んでいるのか」といった批判が出てくるかもしれません。ただし、それらは、基本的に、日本ハムグループが古い体質を改めていく過程で自ら発見した過去の問題(ワクチンの問題も含め、多くは既に行われていない事案)でした。かつてであれば、過去の問題ということで不問にふしたかもしれません。しかし、今の日本ハムグループにはそうした発想は全くありません。
「問題が起こらないよう努力することは当然であるが、もし問題が起これば、それは積極的に公表していく、そしてこれを改めていく」。こうした考え方がグループの揺るぎない基本姿勢となっているのです。まさにその基本姿勢が根付いた証として、グループは、この2年間、自らが傷つくことを覚悟で、マイナス情報を積極的に開示してきたわけです。多くの方に、報道された事件や問題点だけでなく、それを公表し改めようとしてきたグループの基本姿勢まで目を向け、その努力を評価して戴ければと願っております。

日本ハムグループ企業倫理委員会は、以上のような評価、総括をもって、自らの役割を終えたとここに判断し、本日、委員会を主体的に解散することとしました。この決定に関しては、消費者、株主、従業員、監督官庁、その他関係者の皆様にも、ご理解とご賛同を戴けるものと思っております。
委員会解散後は、間接的な形となりますが、各委員がそれぞれの立場で、社外よりグループの取り組みを見守りたく考えております。日本ハムグループは、この2年間、とにもかくにも「誠実な会社」を目指し懸命に精進してきました。それはここに記した通りです。本委員会の解散を機に、グループの自主的な取り組みがさらに一層徹底され、社会および市場より、一段と高い信認と支持が得られますよう、委員一同、心より願っております。

以上

※ニュースリリース掲載時点の情報となります。今後、変更となる場合もありますのでご了承ください。