ニュースリリース 2006年

当社独自開発の機能性食品素材「CBEX」が筋肉疲労を緩和

2006年7月5日
日本ハム株式会社

世界で初めて、運動時の筋肉pH値に着目して作用メカニズムを解明
国立スポーツ科学センターとの共同研究で

日本ハム(株)は、独自に開発した機能性食品素材「CBEX :Chicken Breast Extract」が、ヒトの運動時の筋肉疲労を緩和することを確認しました。このCBEXは鶏胸肉由来の成分で、抗疲労効果が期待されているカルノシン・アンセリンを豊富に含むものです。
今回は、運動時の筋肉疲労の原因といわれている筋肉pH値の低下に着目。国立スポーツ科学センターと共同で、世界に1台しかないMR装置を用いてヒトによる試験を行いました。その結果、CBEXを継続的に摂取することで、運動時の筋肉pH値の低下が緩和され、運動持続時間が伸びることがわかりました。これは世界でも初めての知見で、7月5日~8日にスイス(ローザンヌ)で開催される11th Annual Congress of the European College of Sport Scienceにて発表いたします。

CBEXの継続摂取による筋肉pH値の低下抑制効果

CBEXの継続摂取による筋肉pH値の低下抑制効果

■通常は、運動時間が長くなるにつれて、筋肉のpH値は低下していきます。しかし、CBEXの継続摂取後ではその低下の度合が抑制され、運動持続時間が伸びることを確認しました。

研究背景

カルノシン(β-alanyl-L-histidine)・アンセリン(β-alanyl-1methyl-L-histidine)は、ヒトや動物の骨格筋や脳など、活動性の高い組織に存在しているジペプチドです。その働きとして、緩衝作用、抗酸化作用、抗グリケーション作用などが挙げられ、渡り鳥が疲れることなく長距離飛行できるのも、このカルノシン・アンセリンが深く関わっているといわれています。

当社ではこれまで、カルノシン・アンセリンを豊富に含む機能性食品素材「CBEX」を使って、アスリートを対象に実験を行ってきました。その結果、CBEXを継続的に摂取することで、筋肉中のカルノシン濃度が増加し、運動能力や持久力が向上することを実証してきました。しかし、そのメカニズムについては明らかではありませんでした。
そこで今回は、筋肉pH値に着目。世界に1台しかない、特別な改良を施したMR装置を用いて、運動中のヒト筋肉中のpH値をリアルタイムに測定しました。測定は、国立スポーツ科学センター スポーツ科学研究部、高橋英幸先任研究員らの協力のもとに行われました。

「CBEX」は当社が独自に開発した、鶏胸肉由来の機能性食品素材です。米国のGRAS(Generally Recognized as Safe)を取得しており、食品素材として安全であると認められたものです。
GRASとは・・・FDA(米国食品医薬品局)が食品および飲料として用いる上で安全と認めたもの。毒性試験やアレルギー反応試験等のデータを基に、FDAが指定する専門機関で審査が行われます。

試験方法

MR装置

運動しながら筋肉pH値の測定を行うことができる、世界に1台しかないMR装置

対象は25~31歳の男性12名。まず、CBEXを継続摂取する群としない群に分け、MR装置内で疲労困憊状態になるまで膝の伸展運動を行ってもらい、その間にリアルタイムで筋肉pH値を測定しました。
その後、CBEXを継続摂取する群はCBEX含有飲料(カルノシン・アンセリン量2g/1本)を一日2本ずつ、一ヶ月間摂取してもらいました。一方、CBEXを継続摂取しない群では、プラセボ(偽薬)飲料を同じ条件で摂取してもらいました。
一ヶ月後、両群に最初と同様の運動を行ってもらい、筋肉pH値にどのような変化があるかを調べました。

結果

CBEXを継続摂取した群は、摂取前に比べて運動時の筋肉pH値の低下が抑制されていることが確認できました。しかし、プラセボ(偽薬)飲料を摂取した群では、摂取の前後で筋肉pH値の推移に変化は見られませんでした。

この結果より、CBEXの継続摂取が筋肉中のカルノシン濃度増加をもたらし、その緩衝作用によって筋肉中のpH値低下を抑え、運動時間が伸長することが明らかとなりました。このことから、CBEXの継続摂取が、筋肉の疲労緩和に有効であることが示唆されました。

※ニュースリリース掲載時点の情報となります。今後、変更となる場合もありますのでご了承ください。