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2006年 ニュースリリース

2006年11月10日

食品変敗の主要原因乳酸菌を迅速に検出する技術とリステリア菌の個体識別を迅速に行う技術を開発
~品質劣化や人への集団感染を防止し安全性を確保する新技術~

日本ハム(株)商品開発研究所ハム・ソーセージ研究室は、食肉製品の製造工程中において、製品の品質劣化の原因となる乳酸菌を簡易・迅速に検出・同定する方法と、人への集団感染のおそれがあるリステリア菌の個体識別を迅速に行う技術を新たに開発しました。

この技術を活用することにより、製造工程の拭き取り検査など簡易な方法で、原因となる細菌を正確・迅速に検出することが可能となります。汚染源の究明、洗浄などの対策を素早く実施することができると同時に、特定の原材料を使用しないようにするなど、食品の安全性の確保につながります。

(研究の内容については、下記に記載しています)

今回の技術開発は、農林水産省の補助事業「食の安全・安心確保技術の開発事業」の助成を受けた、「フード・セーフティ・イノベーション技術研究組合(以下FSI)」の中の事業課題の一つとして研究されたものです。このFSIは非営利法人で、食品の原料調達、加工、流通等の一連の過程での総合的な食の安全・安心確保技術を開発することを目的に創立されました。食品製造業をはじめ、機械装置製造業者等、幅広い企業が集結した組織で、当社も組合員となっています。
各組合員による研究成果は、2006年11月7日、日本教育会館(東京都千代田区)にて行われた「研究成果公開発表会」で発表されました。

研究成果 今回の開発技術は、大きく以下の3つです。

1.食肉製品変敗の主要原因乳酸菌 Leuconostoc属の検出・同定方法

食肉製品変敗の主要原因乳酸菌Leuconostoc属を、PCR検出法(ポリメラーゼ連鎖反応)を用いて、迅速に検出・同定する方法。

食肉製品を変敗させる汚染乳酸菌の中でも主要な位置を占めるLeuconostoc属を製造工程や製品から検出・同定することは、従来はサンプル(検体)の培養と菌株の分離に10日前後の期間を要し、技術的にも困難でした。
そこで当社は、Leuconostoc属7種を検出できる、特異的なプライマー(核酸の断片)を作成し、PCR検出法を用いて、サンプリング後2日間で検出・同定する方法を開発しました。  これにより、工場内の Leuconostoc属のモニタリングに用いることができます。

2.汚染乳酸菌の検出・同定方法

汚染乳酸菌を、 PCR-DGGE法(濃度勾配ゲル電気泳動法とPCR法の組み合わせ)を用いて、迅速に検出・同定する方法。

食肉製品の汚染乳酸菌は、増殖中にガスを生成したり、粘液状の物質を分泌するなど、品質劣化の原因となります。従来は、乳酸菌を食肉製品製造工場内から検出・同定することは、夾雑菌に埋もれてしまうことや、性状類似点が多い菌が存在することから困難でした。
そこで当社は、菌種別にDGGE法での乳酸菌検出・特定用のプライマーと反応条件を作成し、菌種ごとに異なる電気泳動の移動度を示す条件を設定しました。その後、PCR検出法と組み合わせることにより、サンプリング後2日間で乳酸菌を検出・同定する方法を開発しました。
工場内が食肉製品変敗の主要原因乳酸菌に汚染された場合に、その汚染源を迅速に追及する際の手段として活用できます。

3.Listeria monocytogenesの個体識別方法

病原性のリステリア菌( Listeria monocytogenes)を、PCR・制限酵素処理後、SSCP(熱変性させたDNAの高次構造の変化に着目する方法)により、従来法に匹敵する信頼性を持ちながら、高い簡便性をもつ個体識別方法。

免疫力の低下した人が感染すると、重篤な疾患を引き起こす可能性のある Listeria monocytogenes は、加熱することで死滅しますが、非加熱の食品(生ハムや海産物、生野菜など)の場合は、特に注意を要します。従来、Listeria monocytogenesを菌種名の同定から更に個体識別するまでには、5日間程度の期間を要していました。
当社は Listeria monocytogenesの数種の遺伝子をPCR・制限酵素で処理後、SSCPすることにより、製造工程や製品から分離後1日間で個体識別する方法を開発しました。この方法は、簡便かつ従来の分析に用いられていた方法に匹敵する高い信頼性を持つものです。
製品にListeria monocytogenesが残存するリスクのある原材料を、製造前の段階で排除することや、工場内がListeria monocytogenesに汚染された場合、汚染源を迅速に追及する際の手段として活用できます。

以上

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