2011年9月7日
日本ハム株式会社
日本ハム(株)中央研究所が製造・販売する、食品中のカビ毒検査キット「MycoJudgeトータルアフラトキシン」が、このたび厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長通知「トウモロコシ中の総アフラトキシンの試験法について」(平成23年8月16日食安監発0816第7号)に準拠致しました。
アフラトキシンは、Aspergillus flavus などのカビによって産生されるカビ毒で、家畜やヒトに対して強い毒性を有し、特に天然物質中で最も強い発癌性を有することから、世界中で規制値が定められています。アフラトキシンによる食品の汚染は、ピーナッツをはじめとするナッツ類、豆類、トウモロコシなどの穀類、および香辛料の他、米や小麦での報告もされており、食品衛生上重要な問題となっています。
これまで我が国では、複数種類あるアフラトキシンのうち、アフラトキシンB1のみを食品衛生法により規制していましたが、近年の汚染実態や国際的な動向等を受けて、平成23年10月1日より総アフラトキシン(アフラトキシンB1、B2、G1及びG2の総和)として規制する旨が、「アフラトキシンを含有する食品の取扱いについて」(平成23年3月31日付食安発0331第6号)により通知されました。
総アフラトキシンの試験法は、この8月に「総アフラトキシンの試験法について」(平成23年8月16日付食安発0816第2号)および「トウモロコシ中の総アフラトキシンの試験法について」(平成23年8月16日食安監発0816第7号)により、試験法および簡易試験法がそれぞれ示されました。
「MycoJudgeトータルアフラトキシン」は、食品中の総アフラトキシンを迅速・簡便に検出する国産唯一のELISAキットで、簡易試験法通知に示された総アフラトキシン簡易測定装置の基準を全て満たしています(表1)。これにより、平成23年10月1日以降、「MycoJudgeトータルアフラトキシン」を厚生労働省通知に準拠したトウモロコシ中の総アフラトキシンの試験法としてお使い頂けることをご報告いたします。
項目 |
簡易測定装置の基準 |
MycoJudgeトータルアフラトキシン性能 |
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真度 |
回収率:70-120% |
80.9-95.8% |
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定量範囲 |
2-20μg/kg |
1.49-20μg/kg |
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精度 |
再現精度 |
<35% |
6.4-18.1% |
併行精度 |
<25% |
5.6-18.6% |
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方法例 |
分析者1名が同一試料を1日2回抽出×5日間 (1試料2wellで測り、その平均) |
分析者1名が同一試料を1日7回抽出×3日間 (1試料3wellで測り、その平均) |
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頑健性 |
測定時間、温度、期間安定性、ロット間差、検量線、HPLCとの相関性 |
測定時間:約30分 |
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検出限界(LOD) |
実際に検量線から決定するか、アフラトキシンが含まれていない試料を10回測定し、その平均値+標準偏差×2の値 |
アフラトキシンが含まれていない試料を10回測定し、その平均値+標準偏差×2 0.44μg/kg |
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定量限界(LOQ) |
2μg/kg |
1.49μg/kg |
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交差性 |
アフラトキシンB1, B2, G1,及びG2 ,Fumonisin, T-2 toxin, OchratoxinA, Zearalenone, Deoxynivalenol |
アフラトキシンB1:B2:G1:G2=100:34:51:15 Fumonisin, T-2 toxin, OchratoxinA, Zearalenone, Deoxynivalenol 交差無し(検出限界以下) |
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マトリックスの影響 |
試料は自然汚染トウモロコシ(2, 5, 10, 20μg/kg総アフラトキシン)を用いることを推奨 |
自然汚染トウモロコシ |
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結果の評価方法 |
4μg/kg未満の場合、陰性と判断する |
4μg/kg未満の場合、陰性と判断する |
(表1) | 総アフラトキシン簡易測定装置の基準および「MycoJudgeトータルアフラトキシン」性能 |
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