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手作り研究会
奥様重役卒業生(=ファミリー会)により、「手作り研究会」という同好会を結成しました。
そもそも「手作りの良さ」とはいったい何なのでしょうか?
素朴、温かさ、本物志向、こだわり、安心…、思いつく言葉はいくつも出てきます。例えば、売場で「手作り…」とついた商品を見ると、何となく良いように思ってしまいませんか?
どうやら私たちは無意識に「手作り=良い」と捉えているようです。
今の時代、支払いさえすれば手に入らないモノはないともいえるでしょう。そんな生活の中で「手作り」の響きは人のぬくもりを感じるものの代名詞になっているのかもしれません。
研究会は「手作り」を実際に体験することで、その良さは何なのかを体感することにしました。そして「手作り」と「市販品」、それぞれの理解を深めていきたいと考えています。
奥様重役卒業生とは?
vol.3 海苔が店頭に並ぶまでを学ぶ
海で育てられた海苔がどのような工程を経て店頭に並ぶのか、それぞれの現場の方からお話しいただきました。
店頭までのそれぞれの役割
生産者 鈴木和正さん
千葉県の新富津漁協から来ました。本日は海苔がどのような環境で生育し、私たちの海苔への思いをご紹介したいと思います。
私たちは東京湾で海苔を養殖しています。東京湾の海苔養殖は湾奥部の船橋行徳地区、木更津地区、富津地区の三つが主な産地です。
 
海苔養殖について
海苔養殖は、胞子を培養するところから始めます。胞子になる前の糸状体(しじょうたい)を増やして、その胞子を網に種付けします。昔は「アサクサ品種」が主流でしたが、大量生産に向かず、現在の気候にも合わないため、「スサビ品種」が主流で、市場に出回るものの8割以上がスサビ品種で占められています。
培養して育てた種を、幅約120センチ、長さ約18メートルの網に均一に種を付けていきます。種の量が少なすぎると収穫量が減ってしまいますし、多すぎると種同士で栄養の取り合いになって品質が下がるので、適正な量が網に付くように、蛍光顕微鏡やマイクロスコープで管理しています。適正と考える量は漁師さんごとに違っていて、収穫量や品質に影響しますから、ピリピリした雰囲気の中で種付け作業をしています。
この種を付けた網を今度は海に持っていって、広げていきます。海に持っていく時期は海水温が23度以下になったとき、例年10月中旬ごろです。三代目となる私の父が20代だったころは、9月だったと言いますから、網を入れる時期がずいぶん遅くなっています。
海苔の養殖方法には「浮き流し漁場」「支柱漁場」があります。千葉の「支柱漁場」は、東京湾アクアラインの木更津金田に着く手前のあたりで、海の中に棒がいっぱい立っている様子を見ることができます。
海中に棒を立てて網を吊っているので、潮の満ち引きによって、網についた種を干す、濡らすという工程が自然になされるという利点があります。しかし、私たちの漁場は水深が10メートル前後もあるので潮の満ち引きを利用することができず、人工的に干していますが、作業する人間によって、網を引き上げる勢いやスピードが違うので、同じ時間干していてもその状態は同じにはなりません。このような網を引き上げたり、戻したりという作業を毎日繰り返すうちに、最初は肉眼で見えないほどの点だった種が、細胞分裂によってどんどん大きくなっていきます。毎日、病気になっていないか、余分な物が網に付いていないかと管理しながら育てています。
労力がかかる「網の張り替え」
千葉県は柔らかい初摘みの海苔を作り続けるために、種が付いた網をひたすら交換します。私は年間に1080枚の網を持っていきます。これは千葉県特有の漁法で「網の張り替え」と言われています。千葉でこの製法が採用されているのは、大消費地の東京が近く、贈答用として初摘みの高品質な海苔が求められていたからではないかと思います。シーズン中1、2回程度網を交換する産地が多いですが、千葉では4回、5回も行います。非常に労力がかかります。
海苔が育ってきたら、船の上で収穫しますが、ここにもこだわりがあります。持ち上げた網からぶら下がる海苔を回転する刃で切り落としますが、すべてを切り落とすのではなく、柔らかく、味の濃い、先端の部分だけを切っています。そして、1週間後に再度先端部分だけを収穫します。海苔の残し方によって、次に採れる海苔の量や品質も変わります。海苔を長く残しすぎると病害にかかりやすくなり、逆に短すぎると成長に時間がかかり収穫量が少なくなるので、適正な長さを残す必要があります。
そして、収穫した海苔を工場に持ち帰り、異物を二段階で取り除いた後、ブラシをかけて海苔についた細かな異物も取り除き、細かく刻みます。刻んだ海苔を機械で漉き、脱水、乾燥の工程を経て、100枚ずつ帯をかけ、箱詰めするまでが生産者の仕事です。
高品質の海苔を出荷するために、毎年、日々、いろいろなことを考えながら生産していますが、毎年異なる海の環境に合わせて工夫し、消費者の皆さんにおいしい海苔を食べていただけるよう、頑張って海苔を生産しています。
千葉県漁連 山本和典さん
千葉県は富津市にある千葉県漁連のり共販事業所からまいりました。私は、入札時に競りを行う「競り人」という業務を行っています。
 
漁連の役割
漁連は等級格付けと入札(競り)を行っています。漁連は海苔生産者と販売会社(海苔問屋等)とをつなぐ立場ですので、生産者からは高く売ってほしい、海苔屋さんからはちょっとでも安く買いたい、と板挟みにあっています(笑)。
生産者から出荷された海苔は、漁協隣接の検査場で金属探知機にかけられ、さらに重量選別機で選別した後、検査員による等級格付けを行います。
最上級の「優上」を頭に以下430種類程度の等級があり、さらに青海苔の含有量によって分類される「飛」「混」「青」という種別が存在するため、それらを掛け合わせると等級は1300種類にもおよびます。ただ、日常的に使われている等級は150種類くらいです。
千葉県内8か所で等級格付けされた海苔は、のり共販事業所にすべて集められ、約10日に1回の頻度で入札にかけられます。海苔屋さんは見付室(みつけしつ)に用意されたサンプルを見て仕入れる海苔を選定します。色艶の見た目も大事ですし、手の感触、柔らかさや堅さ、香りも判断材料になります。
三年前からは食味用の海苔を用意し、実際に食べて判断していただいています。どんなに見た目や香りが良くても、味とのバランスが調和しないということもあるので、より確実に判断いただけるようになりました。
緊張感あふれる入札
入札にかけられる等級と枚数が書かれた手板(テイタ)と呼ばれる冊子をもとに、海苔屋さんは見付室で値踏みをして、購入予定の金額などを書き込んで臨みます。例えば手板に、3,000円などと書いてあると、ライバルの海苔屋さんにバレてしまうので、暗号、記号を用いている海苔屋さんが多いです。
現在は電子入札を導入していて、海苔屋さんが目の前のテンキーで入力した金額が私の手元のモニターに表示される仕組みになっていて、表示の中から一番高値を付けた海苔屋さん(落札者)を読み上げます。大きいロットになると、一つの等級の商品で2千万〜3千万円になることもあります。どんどん高値を付けていく競り上がり方式ではなく一発入札ですので、一等級にかかる時間はだいたい10秒程度と全国的にもかなり早いペースでの入札となっています。
入札にはのり生産者の漁協組合長さんも立ち会っていて、入札金額の入り具合が分かるモニターを見ています。漁師さんの中には、私が声を張り上げるとそれだけ高値がつくと思っている方がたくさんいて(笑)、声が小さいと「気合が入っていない」、あるいは私のせいで「安くなった」と言われてしまうので、常に緊張しながら競りを行っています。
高品質が揃う千葉産の海苔
このところ取扱数量が減少していますが、それでも1回の競りで多いときでは3億円ほど売り上げます。他県では1回に30億円にもなるところもありますが、千葉はクオリティで勝負しているので、数は少ないながらも一枚あたりの海苔の単価が高い商いをしています。
海苔屋さんから千葉の海苔は高いと言われるんですけれども、先ほどの鈴木さんのお話にあるように、それだけの苦労をして生産していますので、その品質は高く評価していただきたいと思っています。
中川海苔店 斉藤徹さん
千葉県木更津市からやってきました、中川海苔店の斉藤と申します。祖母が創業し、私で、三代目、創業60年の会社になります。
 
メインで扱っている千葉産の海苔
千葉にある海苔屋なので、千葉産の海苔をメインに取り扱い、こだわりを持った商品を皆様にお届けしているつもりであります。
入札では、海苔屋同士で駆け引きが少しありますが、私はあまり人の意見を聞きませんので、ほしい海苔が出たら人がなんと言おうと、その海苔を買います。それは海苔との出会いが一期一会だからです。昨年度は千葉県で14回入札会がありました。14回ある中でも、○○浜の○等というのは、限られています。つまり日本全国で考えても、その場にしかないわけで、その海苔を買いはぐれたら、その海苔を手に入れることができないのです。気に入った海苔を絶対に逃さないという思いで私は海苔を買っています。
先ほどもありましたが、千葉産の海苔は希少です。全国で10年ほど前には100億枚生産されていましたが、一昨年は約75億枚。千葉産は1億5千万枚ぐらいで、約2%にすぎません。
気に入った海苔を必ず落札するために
千葉の入札は自分で決めた値段がその場で1番高値だった海苔屋が購入できる一発勝負ですから、二番じゃダメなんです(笑)。時間にしてたった10秒の間に、その値段の付け方によって結果的に500万円、600万円ぐらい損をするかもしれないとしても、負けるわけにはいきませんから、覚悟を決めてその気に入った海苔を買わなきゃいけない。買わなきゃいけないっていうのは変ですけれど、絶対に落札するにはその値段を付けなければいけないんです。
海苔屋の仕事で一番難しいことは、どういった海苔を仕入れるかです。めでたく落札した海苔は、6時間乾燥して、200度の温度で10秒ほど焼きます。その後金属探知機にかけて、金属などの固いものや、穴や欠けなどあるものを取り除き、そのまま、あるいはさらにカットしたものを袋詰めして商品として完成します。
中川海苔店が好む海苔とは
店頭でお客様から「薄くて、歯切れのいい海苔」を要望されることがあるのですが、薄い海苔がすべて柔らかいとは限りません。海苔の葉先の柔らかい、新しい芽の柔らかいものを刈り取って成型したものが、柔らかい海苔になるので、厚みがあっても柔らかい海苔はあります。私ども、中川海苔店は、薄い海苔はあまり好きではありません。食べ比べたときに厚い海苔の方によりコクがある感じがするからです。そこで、当店では厚い海苔を仕入れていますが、初摘みなどグレードが高いものは歯切れがよいですし、そうでないものはそれなりの歯切れです。
また、仕入れの際には色の良いものだけを買うようにしています。皆さんが海苔を求めるときに、同じ値段でどちらか悩んだときには、色の濃い方をおすすめします。おそらくうま味が濃いはずです。
海苔は超自然食品で、焼き海苔であれば人の手が入る工程がほとんど無いですから、仕入れる海苔がそのまま商品の品質になります。ですから、われわれはいかに良い海苔を仕入れるかに一番注力しており、その良い海苔をできるだけ良い状態で皆さまにお届けするのが海苔屋の使命だと考えています。

中川海苔店さんの商品