たんぱく質に関する、身近な疑問にお答えします
「たんぱく質はどんな風に摂取したらいいの?」「たんぱく質は筋トレやダイエットにも有用?」「たんぱく質で仕事や勉強が捗る?」など、たんぱく質に関係した身近な疑問をQ&A方式で紹介します。
 
                  たんぱく質 キホンのキ
朝食にしっかりたんぱく質をとることは、その後の心身のパフォーマンスにも影響するという複数の研究が報告されています。例えば海外の研究では、高炭水化物・低たんぱく質の朝食をとった人は、低炭水化物・高たんぱく質の朝食をとった人よリ攻撃性が高まるとの結果*1が出ています。また、朝食に糖質中心の飲料と、たんぱく質も含む飲料をとった場合を比較した日本の研究*2では、たんぱく質群で集中力が高まり、作業効率が上がったとの報告があります。
1日のスタートを良いものにするために、しっかりと朝食でたんぱく質をとることを心がけましょう。
CHECK
| 動物性たんぱく質 肉、魚、卵、牛乳、乳製品など | 植物性たんぱく質 豆、大豆製品、穀物、きのこなど | |
|---|---|---|
| メリット | 
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 | 
| デメリット | 
 | 
 | 
| 植物性たんぱく質 | 小麦 | 40.2 | 
|---|---|---|
| 大麦 | 47.2 | |
| とうもろこし | 42.4 | |
| 大豆 | 99.6 | |
| 動物性たんぱく質 | 牛乳 | 115.9 | 
| 牛肉 | 111.6 | |
| 豚肉* | 113.9 | |
| 鶏肉* | 108.2 | |
| 鶏卵* | 116.4 | 
出典:Ertl P et al. Animal.2016; 10(11):1883–1889.
                            *はErtl, P. et al.Die Bodenkultur: Journal of Land Management, Food and Environment, 67(2): 91–103(2016).
CHECK
| 糖質 | エネルギー不足を防ぎ、筋肉の分解を防ぐ | 小麦粉、ゆであずき(加糖)など | 
|---|---|---|
| ビタミンD | 筋肉の活性化と合成を促す | 鮭、いわし、きのこ類など | 
| ビタミンC | たんぱく質の合成とホルモンの代謝を促す | ブロッコリー、キウイ、パプリカなど | 
| ビタミンB群 | たんぱく質の分解を助ける | にんにく、マグロ、サバ、豚肉など | 
| カルシウム | 筋肉をスムーズに動かす | 牛乳、海藻類、小魚など | 
| 鉄 | 筋肉の維持と成長に関わる | レバー、卵(黄身)など | 
| 亜鉛 | 細胞のエネルギーとコラーゲンの生成に関わる | レバーなど | 
出典:
                            藤田聡.カラダに効く!タンパク質まるわかりBOOK.学研プラス、2021年、P.76、P.98-P.99
                            藤田聡.眠れなくなるほど面白い 図解 たんぱく質の話.日本文芸社、2019年、P.70-P.71
「代謝」とは、身体の中で行われている熱を発散させるプロセスのこと。私たちの身体は、古い細胞を新しい細胞に置き換えていくことで健康を維持しています。代謝を促すための「酵素」や「ホルモン」も、たんぱく質からつくられています。
たんぱく質×食事
たんぱく質×筋トレ・ダイエット
CHECK
| バリン | 筋肉を強化し、血液中の窒素量を調整する | レバー、マグロの赤身 | 
|---|---|---|
| イソロイシン | 筋肉を強化し、神経の働きを助ける | 鶏むね肉、鮭、ブリなど | 
| ロイシン | 筋肉を強化し、肝臓の働きを高める | 高野豆腐、ホッケ、鶏むね肉など | 
出典:カラダに効く!タンパク質まるわかりBOOK.学研プラス、2021年、P.44-P.45
CHECK
| 鶏ささみ | たんぱく質23.9g 脂質0.8g | マグロ赤身 | たんぱく質26.4g 脂質1.4g | 
|---|---|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし) | たんぱく質23.3g 脂質1.9g | たら | たんぱく質17.6g 脂質0.2g | 
| 豚ヒレ肉 | たんぱく質22.2g 脂質3.7g | ツナ缶 (ノンオイル) | たんぱく質16.0g 脂質0.7g | 
※全て/100g
出典:「食品成分データベース」文部科学省、https://fooddb.mext.go.jp/freeword/fword_top.pl
高たんぱく質、低脂肪、低糖質の食品例
ゆで卵、ヨーグルト、プロセスチーズ
たんぱく質×こころ
CHECK
| フェニルアラニン | ドーパミンやノルアドレナリンなどの材料になる | マグロ、鶏むね肉など | 
|---|---|---|
| チロシン | ドーパミンやノルアドレナリンの材料になる | チーズや納豆など | 
出典:藤田聡.カラダに効く!タンパク質まるわかりBOOK.学研プラス、2021年、P.14-P.15
CHECK
| トリプトファン | セロトニンやメラトニンなどの材料になる | 納豆、チーズなど | 
|---|---|---|
| グリシン | すみやかに深い睡眠をもたらす | カジキマグロ、エビ、ホタテなど | 
出典:藤田聡.カラダに効く!タンパク質まるわかりBOOK.学研プラス、2021年、P.13、P.34-P.35
 
  立命館大学 スポーツ健康科学部・研究科 藤田聡(ふじた・さとし)教授
2002年南カリフォルニア大学大学院博士号修了。博士(運動生理学)。2006年テキサス大学医学部内科講師、2007年東京大学大学院新領域創成科学研究科特任助教を経て、2009年より立命館大学。米国生理学会(APS)や米国栄養学会(ASN)より学会賞を受賞。監修本に『間違いだらけのたんぱく質の摂り方』、共著に『体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学』など。2021年に長年の研究に基づき企業の健康経営をサポートする(株)OnMotionを設立。

 
         
         
        