2 食を豊かに

美味なる音には共通点があった!
ビール! 打球音! シャウエッセン®!

シャウエッセン®を一口頬張ったときに感じるあの「パリッ!!」という音。音を科学的に分析する日本音響研究所の協力を得て収音・分析した結果、あの「パリッ!!」とした響きには、他の食品にはない特別な要素が詰まっていることが判明。意外な音との共通点も見つかりました。

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日本音響研究所 鈴木創所長・吉田靖氏

日本音響研究所は音声・音響を幅広く解析する民間の専門研究機関。人の声の特徴を分析し、本人確認や声の違いを見分ける声紋鑑定を主とする一方、アーティストの音声・歌声の特徴解析のほか、さまざまな音に関わる製品分析、評価などを行う。

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3つの注目の周波数帯で存在感のある音がしっかり

シャウエッセン®を含む5種類のウインナーについて、喫食音を収音した実験結果は前編でもご報告した通り*1。シャウエッセンは、音の大きさや質、余韻の長さといった面でほかのウインナーより良好だという結果になりました。
なお実験は16人の被験者が5種類の比較対象製品を5回ずつ喫食し、噛んだ瞬間の音を高精度マイクロフォンで収録した合計400本分のサンプルデータを分析しています。

実験をした、日本ハムの製品A~C(A:シャウエッセン、B:コラーゲンでできた人工皮のウインナー、C:羊腸を使ったウインナー)、他社製品D、他社製品Eの5種類について、それぞれの典型的なデータを、縦軸に周波数、横軸に時間、表示色で相対信号強度(音の大きさ)を示すという3次元グラフで音の変化を示したのが下図のサウンドスペクトログラムです。

それぞれのウインナーの音を聴く(AからEまでの音が順番に流れます)

「音の特徴を見るときには3つの注目の周波数帯がありますが、サウンドスペクトログラムを見てもシャウエッセンは、紫色で表される最も強い部分の音が縦線上に色濃く出ており、キレのある音、耳に届く音、おいしさをイメージさせる音の全てで、しっかり音が検出されていることがわかります」と日本音響研究所の鈴木創所長。

「おいしい音」の要素が全て詰まっているシャウエッセン

今回の音の研究では、5種類のウインナー以外にもさまざまな食品の音分析も行っています。
「さまざまな食の音を分析する中で、『美味しいと感じる音』には特徴的な3つの要素があることが分かっています」と鈴木所長は解説します。
第1の要素は、1万Hzよりも高い『高周波成分』です。この音があると、キレの良さや爽やかさを感じることができます。例えば、餃子を焼くときのジューッという油のハネを感じさせる音や、炭酸のシュワシュワ音、咀嚼時に感じるクリスピーな音などは、この高周波成分が豊富です。心地よい刺激を感じさせ、食品のジューシーなイメージを引き立てる効果があります。

餃子調理音

ポテトチップス喫食音

第2の要素は『聴覚感度の良い周波数帯』です。この周波数帯に音が分布していると、音が大きく明瞭に感じられ、満足感が高まります。例えば細長いスティック状のチョコレートスナック菓子は、口にした瞬間の「ポキッ」という聴覚感度の良い周波数帯だけが強く出ています。この第2の周波数帯の音は前歯で食品を噛み切る際に鳴ることが多く、しっかりとした歯ごたえを感じさせます。前歯で噛み切ることは、歯の周囲にある歯根膜を通じて脳においしいという刺激を与えてくれますが、この周波数帯の音は、そうした食感の楽しさを増幅させてくれる役割を担っています。

スティック状チョコレートスナックの喫食音

第3の要素は『口腔内共鳴』と呼ばれる、約1000 Hz前後の周波数帯。食べ物を口に入れて咀嚼する際、口の中の空間が共鳴して生まれる音です。「鶏唐揚げを食べた時のモグモグっとした音や、もなかアイスを頬張る際の「はむ」「ハフ」といった音は、口腔内共鳴がしっかりとあり、「食べている」という実感を与える役割を果たしています」と鈴木所長は解説します。

鶏唐揚げの喫食音

もなかアイスの喫食音

「このようにさまざまな食品に、それぞれ固有の音の分布があるのですが、実はシャウエッセンは、噛んだ際の一瞬の「パリッ!!」という音に、上記で説明した全ての要素が詰め込まれているのです。口腔内共鳴も、餃子を焼くときのジューッという油のはじけるようなキレのある音も、「噛んだ」という実感を得られる聴覚感度の良いしっかりとした音も含まれている。ですから、シャウエッセンはその「音」だけでも美味しさを想起させる。美味しいものを食べるよと脳に発信する音が鳴って、口の中に味として広がる構造になっているのです」と鈴木所長は分析しています。

ちなみに、他の食事にまつわる音でこの3つの特徴的な要素を持っているのが、缶ビールを開栓して、コップに注ぐ時の一連の音だとか。「ビールの開栓音は「シュパッ」「パキッ」というキレが良く音の響きも良い周波成分で、グラスに注ぐ際にはトットットッと次第に共鳴周波数が高くなっていきます。それは口腔内共鳴と非常に似ているのです」と鈴木所長。シャウエッセンはその音の楽しさを「ひと噛み」だけで実現しているところに音としての特徴があるのだそう。下の表のように、いろいろな美味しい音の詰め合わせになっているのが、シャウエッセンなのです。

さまざまな食にまつわる音と、美味しい音の構成要素との関係

  キレのある音
(油のパチパチ感やクリスピーな歯ごたえを彷彿させる音)
歯ごたえを感じる音
(聴覚感度が良くしっかりと前歯で噛み切っていることを感じさせる音)
咀嚼感を感じる音
(”もぐもぐ”や”ハフ”といった口腔内で共鳴をしている音)
音の余韻
(音がしっかりと鳴り、響いているか)
シャウエッセンの
喫食音
餃子の調理音      
ポテトチップスの
喫食音
     
スティック状チョコレート菓子の喫食音      
鶏唐揚げの喫食音    
もなかアイスの
喫食音
     
ビールの開栓音  
ビールを注ぐ音  

爽快な心地よさも感じるウインナーの音

今回の音の分析では、ほかの分野でシャウエッセンに近い音を探る作業も行いました。日本音響研究所が保有していた過去のさまざまな音データと比較をしてみると、実は音の構成が野球のホームラン音に似ていることが分かりました。
「コロナ禍にあった2020年、日本プロ野球は開幕から1カ月ほど無観客で試合が行われました。この時、さまざまな野球シーンの音を収音し分析していたのです」と鈴木所長。改めて2025年シーズンに、北海道日本ハムファイターズの選手たちがバットでボールを捉えた瞬間の音を分析したところ、ウインナーの喫食音と驚くほど似た特徴を持っていることが判明しました。

日本ハムのウインナーの喫食音と、日本ハム選手の打撃音との比較

それぞれのウインナーの音と打撃音を聴く(図の左から音が順番に流れます)

例えば、2025年7月6日のファイターズの選手のホームラン打球音は、シャウエッセンの音響特性とまさに符号しています。「この時にホームランを打った選手はチーム内でも一番と言えるほどのスイングスピードを持つパワー型のバッター。高い周波数まで音が伸びており、しかも音が響く時間が長いのは非常にパワーがある証です。同時に、縦線状にくっきりと現れる音の分布は芯でしっかりとらえている証拠でもあり、この形はシャウエッセンと非常に近いものがあります。この打球音をシャウエッセンの音に差し替えた音声を作成したところ、違和感がないほど類似性がありました」(鈴木所長)。

続けて、ほかの選手の打球音についても分析。「2025年8月19日に収録したヒット性のある打球音は、強い音ではありませんが縦線が一本通っており、途中に一カ所だけ強く表れた部分は、口腔内共鳴に該当する「音」がくっきり出ています。コラーゲンでできた人工皮のウインナーと共通点が見られ、強烈なパワーではありませんが、確実にボールをとらえた上品な音です。

さきほどの選手とは別の、パワーよりミートを意識する選手が8月6日に行ったホームランの打球音は、高い周波数の音がツブツブと玉のようになっています。羊腸を使ったウインナーCは、口腔内の共鳴がしっかりしており、肉汁が飛び散る時に出ている玉のような音の分布が見られました。この音の形が、ミートの良さでスタンドに運んだ技ありホームランの打球音と似ているということになります」。

ホームランが出たときの爽快感のある打球音、ビールの缶を開けて注ぐときの期待感が高まる音、そしてシャウエッセンが持つおいしさを構成する3要素の音、それぞれに似たような音の成分をもっていることが今回の実証実験と分析から明らかになりました。「野球場で、ビールを飲みながらシャウエッセンを食べて、ホームランが見られたらすごく爽快だと思いますね。それぞれの相乗効果も生まれそうな、最強の組み合わせと言えそうです」(鈴木所長)。

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