コーポレートIR

“ウシの腱”を原料に組織再生型靭帯デバイス(医療機器)を開発するCoreTissue BioEngineering(株)に出資

2025年11月10日
日本ハム株式会社

日本ハム株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:井川 伸久)は、ウシの腱を原料に用いた膝前十字靭帯再建用「組織再生型靭帯デバイス」の開発を進めるスタートアップCoreTissue BioEngineering株式会社 (以下、CTBE社)と出資契約を締結しましたので、お知らせします。
当社は本契約を通して、畜産資源の高度活用によるスポーツ医療領域の課題解決を支援するとともに、ヘルスケア・医療領域の発展に貢献することで企業価値最大化の実現を目指します。

膝前十字靭帯断裂は、バスケットボール、サッカーなど、スポーツ中の動作で膝が強くねじれることによって起こる靭帯の損傷です。受傷時には激しい痛みや腫れを生じます。断裂すると自然治癒しないことから、多くの場合は外科的再建手術が必要となります。
膝前十字靭帯の手術は、患者様自身の別部位の腱を採取して、損傷した靭帯を再建する方法が一般的です。一方、健常な腱を取り出すことに対する弊害や、取り出せる腱に限りがあることなどから、人工の靭帯再建用デバイスの開発が国内外で望まれています。

CTBE社は、2016年に早稲田大学で生まれた医療機器スタートアップです。同社は、早稲田大学理工学術院の岩﨑清隆氏が開発した「組織再生型靭帯デバイス」の製品化に取り組んでいます。このデバイスは、厚みのある組織でも適用できる脱細胞化技術と、強度が保持される凍結乾燥・滅菌技術を応用した“脱細胞化組織※1”です。手術後、埋め込まれたデバイスを足場として患者様自身の細胞が入り込み、徐々に自己組織がつくられ、最終的に靭帯の再生が期待できます。
開発中のデバイスは、企業治験として昨年12月に患者様の治療に初めて使用し、現在は、安全性を評価するパイロット試験を継続中です。今回CTBE社は、当社を含む複数の機関から、新たに6億円の資金調達を行いました。米国でのビジネス展開を目指して同国での治験準備を進めるとともに、開発品の商用生産に向けて大量生産技術の導入を進め、事業を加速させていく計画です。

日本ハムは、「食とスポーツ」を通して“おいしさの感動”と“健康の喜び”の提供を目指し、プロスポーツチームの経営やボールパークの運営などを手掛けてきました。また、2025年度に新たなR&D戦略「Proteinnovation(プロテイノベーション)※2」を策定し、ヘルスケア/医療領域、アップサイクル領域を新規事業として重点的に取り組む方針を掲げています。CTBE社の取り組みは、将来、ウシ由来の資源を医療機器に活用するという新たな価値と役割を与え、アスリートやスポーツ愛好家のパフォーマンスや健康に寄与するものと考えています。

【CTBE社について】

名称 CoreTissue BioEngineering株式会社
(英名:CoreTissue BioEngineering Inc.)
所在地 神奈川県横浜市鶴見区
代表者 城倉 洋二
事業内容 脱細胞化技術を応用した整形外科用埋め込み型医療機器の開発・製造販売
設立年 2016年
社員数 10人
備考 https://www.coretissue.com/

■CTBE社が開発を進める“ウシの腱”を原料に作られた組織再生型靭帯デバイス

※1 脱細胞化組織
生体組織から細胞成分を除去した細胞外マトリクスであり、再生医療用の足場材料として注目されている。異なる生物種由来の脱細胞化組織であっても、拒絶反応をほとんど起こさないと言われている1)
1)脱細胞化生体組織の現状と将来展望, 岸田晶夫, Organ Biology VOL.25 NO.1 2018

※2 Proteinnovation(プロテイノベーション)
当社グループのR&D戦略。「たんぱく質の可能性を、テクノロジーとイノベーションにより最大限に引き出し、食領域と新領域で新たな価値と未来を創造する」をコアコアコンセプトとして、プロテイン(たんぱく質)とイノベーション(革新)を掛け合わせた造語。