香りを楽しむラム肉

ラム肉が苦手という理由の一つに「特有の香り」を挙げる人は多くいます。料理は五感で楽しむものであり、香りもおいしさを感じる要素の一つ。ラム肉と香りの関係についてご紹介しましょう。

草食動物特有の香り

羊は草食動物。広大な土地に放し飼いにされ、そこに生えている草を食べながら成長します。

「草(葉物)を食べているのに、どうして独特の香りがあるの?」と思うかもしれませんが、それは草そのものの香りではなく、草を体内に取り込んで消化吸収するときに、体内の消化酵素によって変化した物質の香りなのです。つまり、ラム肉特有の香りは、羊がしっかり栄養を摂って消化吸収したという証なのです。

香りの好みには個人差があります。そして、「慣れ」もあります。ラム肉の香りが苦手と言う人は、もしかしたらあまり食べたことがないのかもしれません。これを機会にラム肉に挑戦してみては?

ラム肉とスパイスは相性good

前項で特有の香りについてご紹介しましたが、香りが強い分、スパイスとの相性がいいのがラム肉の特徴です。シンプルなものからパンチのきいたものまで、さまざまなスパイスで幅広い料理が作れます。

モンゴルなどで食されている「ラム肉の火鍋」は、赤白2種類のスープで食べる定番鍋料理。白はマイルドな白湯(パイタン)スープ、赤は唐辛子や八角をきかせたピリ辛スープ。白湯のシンプルな味でラム肉の香りを引き立たせるベストな組み合わせです。

ラム肉にピッタリのスパイスとしては、なんといってもクミン。カレーやエスニック料理に使われるスパイスで、苦みと辛みを併せ持つ香り。ラム肉が苦手な人にこそおすすめのスパイスです。

そのほか、シナモン、ハーブなども相性がいいとされています。スパイスは何種類かを合わせるとより深みが出てくるので、臆せずチャレンジしてみましょう。

豆知識

個性と個性がぶつかり、互いを引き立てあう“香菜(パクチー)”

独特の香りといえば、香菜(パクチー)も負けていません。好き嫌いが真っ二つに分かれる香菜も、香りの強い食材です。
アジアの国々には、ラム肉と香菜の料理は多くあります。クセの強い食材同士だからこそ、それぞれの個性を失うことなく活かしあうことができるのでしょう。
両方苦手、という人も少なくないと思いますが、思いきって「ラム肉と香菜の料理」を食べてみると、意外に好きになれるかもしれませんね。

おすすめレシピ

ラム肉のバタートマトカレー

トマトの酸味とヨーグルトのまろやかさが、スパイスの辛みとほどよく調和し、ラム肉のおいしさを引き立てます!