ニッポンハムグループのサステナビリティ

基本的な考え方

ニッポンハムグループは、企業理念の実現を追求するうえでのマイルストーンとして、2021年3月に「Vision2030」を策定しました。
これは、2030年における「ありたい姿」を描いたもので、これまでの提供価値である「安全・安心」「おいしさ」に加え、常識にとらわれない自由な発想でたんぱく質の可能性を広げ、社会環境や人々のライフスタイルの変化に対応する多様な食シーンを創出し、毎日の幸せな食生活を支え続けたいという想いを込めています。
このビジョンの策定を機に、従来の「5つの重要課題」を見直し、「Vision2030」の実現に向けて優先的に解決すべき社会課題を「5つのマテリアリティ(重要課題)」として再特定しました。
当社グループは、持続可能な社会の実現に向けて「5つのマテリアリティ」の達成を目指していきます。

5つのマテリアリティ

たんぱく質の
安定調達・供給
世界的な人口増や気候変動などに伴い、たんぱく質の供給難が予測されています。ニッポンハムグループはたんぱく質の安定調達と供給を目指します。これまでの品質に対する安全・安心への取り組みに加え、サプライチェーンにおける環境や人権・動物福祉などの社会側面を配慮しつつ、多様なたんぱく質への取り組みを推進します。
食の多様化と
健康への対応
ライフスタイルなどの変化に伴い、食においても多様な対応が求められています。
さまざまなニーズに合わせた商品の開発とサービスの提供により、楽しく健やかなくらしに貢献します。
持続可能な
地球環境への貢献
気候変動や食品ロス、海洋プラスチックなど地球環境を取り巻くさまざまな課題があります。
ニッポンハムグループの事業は自然からの恵みをいただくことで成り立っており、バリューチェーンを通じて温室効果ガスや食品ロス、プラスチックなどの課題解決に向けての取り組みを推進します。
食やスポーツを通じた地域・社会との共創共栄 ニッポンハムグループは「良き企業市民」として食やスポーツなどを通じたつながりを深め、ともに歩み・発展することで愛され信頼される企業を目指します。
従業員の成長と
多様性の尊重
ニッポンハムグループでは「従業員が真の幸せと生き甲斐を求める場」となることを目指しています。
一人ひとりを尊重し、それぞれが持てる力を発揮・活躍できる環境づくりを推進します。

中期経営計画と持続可能性(サステナビリティ)の追求

2021年4月1日よりスタートした「中期経営計画2023」では、ビジョン実現に向け、事業戦略とマテリアリティの実践を通したサステナビリティ戦略を両輪で進めることで、事業を通した社会課題の解決に努め、持続可能な社会の形成に寄与してまいります。

Vision2030

たんぱく質を、もっと自由に。

経営方針

  • 収益性を伴ったサステナブルな事業モデルへのシフト
  • 海外事業における成長モデルの構築
  • 新たな商品・サービスによる、新しい価値の提供
  • ビジョン実現に向けたコーポレート機能の強化

ニッポンハムグループとSDGs

当社グループは、持続可能な開発目標(SDGs)の達成のために企業に期待されている役割を認識し、課題の解決に積極的に取り組んでいきます。中でも2021年2月に特定した「5つのマテリアリティ (重要課題) 」に取り組むことが、持続可能な開発目標(SDGs)の実現と持続可能な社会の構築につながると考えています。

持続可能な開発目標(SDGs)とは

SDGsは、2015年9月に国連で採択された17の目標と169のターゲットからなります。2030年までに達成すべき目標として、地球規模の優先課題や世界のあるべき姿を明らかにしています。地球の限界を超えない範囲に収まり、貧困を終わらせ、誰もが尊厳があり平等に機会が得られるような人生を送ることができるよう、経済、環境、社会分野の3つの側面に対応する目標やターゲットを定め、政府、企業および市民社会に対して、全世界的な行動を要請しています。

推進体制

当社グループは、日本ハム(株)の取締役会長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しています。同委員会は原則として四半期に1回開催しており、ESGに関する知見をお持ちの社外有識者や社外取締役からの意見を伺いながら、サステナビリティに関する方針、戦略の策定、グループ各社の取り組み状況の確認などを行います。その内容をまとめ、決定機関である取締役会に諮っています。
下部組織である「ES(環境・社会)部会」と「TCFDタスク会議」は、サステナビリティ担当取締役と関係部署の部室長で構成されており、委員会で話し合われた戦略を具体化し、事業本部の施策に展開しています。

サステナビリティ推進体制図

サステナビリティ推進体制

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組織体 役割 構成 開催頻度
サステナビリティ委員会
  • グループのサステナビリティに関する方針の策定、戦略の検討
  • 取締役
  • 社外取締役
  • 事業本部長
  • 監査役・社外有識者
年4回
ES(環境・社会)部会
  • 取締役会で決定された戦略の事業本部への落とし込みの具体化
  • 重要課題の施策・指標策定
  • サステナビリティ担当 取締役
  • 関係部署部室長
年4回
TCFDタスク会議
  • 自社の気候関連リスク・機会の評価、シナリオ策定
  • サステナビリティ担当 取締役
  • 各事業本部 統括管理担当役員
  • 関係部署部室長および担当者
年2回

サステナビリティ委員会の構成

  • 2023年6月時点

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役職 氏名 担当職
取締役会長 木藤 哲大 委員長・議長
代表取締役社長
社長執行役員
井川 伸久 委員
取締役 常務執行役員 前田 文男 委員
取締役 常務執行役員 片岡 雅史 委員
取締役 常務執行役員 秋山 光平 委員
取締役(社外) 河野 康子(※) 委員
取締役(社外) 荒瀬 秀夫(※) 委員
取締役(社外) 山崎 徳司(※) 委員
常務執行役員 小田 信夫 委員
常務執行役員 松本 之博 委員
執行役員 藤原 寛英 委員
監査役(社外) 西山 茂(※) オブザーバー
  • 独立役員

社外有識者

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社名・役職 氏名 担当職
栗田工業株式会社 社外取締役 田中 径子 氏 委員
ダイキン工業株式会社 CSR・地球環境センター 室長 藤本 悟 氏 委員
岡崎聡公認会計士税理士事務所 岡崎 聡 氏 委員
慶應義塾大学医学部 非常勤講師 堀口 逸子 氏 委員

ビジョン・マテリアリティ浸透活動

ビジョンの達成に向けて、マテリアリティの各施策を実行していくのは従業員一人ひとりであるとの考えから、 従業員への浸透活動を推進しています。策定初年度の2021年は、ビジョンとマテリアリティを「自分ごと」として考える手引きとなるビジョンブックを作成し、国内会社の全従業員に配布するとともにキャラバン(勉強会)を開催しました。
また、社長が各事業所を訪れ、ビジョンやマテリアリティに対する想い、考えについて従業員と直接意見交換するタウンミーティングも実施しています。

日本ハム(株)においては、ビジョンの実現に向けて新しい制度づくりも進めました。“たんぱく質を、もっと自由に。”を具体化するには、自由に発想し、挑戦することが不可欠です。そのため、目標管理制度の中にチャレンジ項目を織り込んだほかビジョン実現に貢献した 事例を表彰する制度を設けました。
その他、階層別研修にて勉強会や社内報・社内ポータルサイトを活用した情報発信、従業員アンケートによる浸透度調査などを行っています。

ビジョンブック

日本ハム食品(株)関東プラントでのタウンミーティング