ニュースリリース 2018年

イミダゾールジペプチド摂取でスタミナアップ!
ランナーの持久力向上を確認
第30回ランニング学会大会にて発表(2018年3月31日)

2018年5月29日
日本ハム株式会社

日本ハム株式会社(本社:大阪市北区、社長:畑佳秀)は、食肉に含まれる成分であるイミダゾールジペプチド※(以下、イミダ)の研究を推進しています。今回は「イミダゾールジペプチド摂取が中長距離選手におけるコンディショニングおよび運動パフォーマンスに及ぼす影響」についての研究を環太平洋大学と共同で実施し、第30回ランニング学会大会に発表しました。また本研究成果は、専門学術誌「ランニング学研究」に発表抄録を掲載予定です。
※イミダゾールジペプチドとは
動物の筋肉に多く存在する成分で、カルノシン、アンセリン、バレニン等のジペプチドの総称です。食材としては、鶏ムネ肉に多く含まれています。ヒトの筋肉にも含まれており、イミダが多いヒトは運動パフォーマンスが高いことが確認されています。
イミダは、その構造から、短距離走や筋力トレーニングのように瞬間的に強い力を必要とする無酸素運動に効果があると言われています。一方で、イミダを摂取した長距離選手からも「疲労感がいつもより少なくなった」「自己ベストが出た」等の体感のお声を多くいただいており、弊社では、マラソンやサイクリングなどの持久力を必要とする有酸素運動に対する効果も検討してきました。

被験者:環太平洋大学陸上部(中長距離)。
被験者は自分がイミダを含んだ試験食品を摂取しているか分かっていません。

今回の研究では、中長距離を専門とする大学生を被験者とし、1週間のイミダ摂取が有酸素運動にもたらす効果を調査しました。イミダを摂取する前に比べて、摂取後は被験者の運動継続時間が延長、有酸素能力の指標が向上していました。つまり、イミダはマラソンやジョギングなどの有酸素運動をする方にとって、持久力(スタミナ)を向上させる有益な成分であることが考えられます。

過去のイミダに関する研究データ等については「イミダLabo」に掲載しています。

研究内容(詳細)

「イミダが中長距離選手におけるコンディショニング及び運動パフォーマンスに及ぼす影響」

研究目的

イミダの摂取が、高強度運動パフォーマンス(※1)を向上させることは既に確認されていますが、マラソンなどの持久性パフォーマンスに及ぼす影響について研究した事例はあまりありません。そこで、イミダが中長距離選手における持久性運動パフォーマンスに及ぼす影響を検討しました。
※1 高強度運動パフォーマンス:主に無酸素性の運動におけるパフォーマンスを示します。短距離走や筋力トレーニングなどが相当します。

研究方法

中長距離を専門とする大学生を対象に、イミダもしくは有効成分を含まない疑似食品(プラセボ)を1週間摂取させる臨床試験を実施しました。試験食の摂取前後で、漸増負荷ぺダリングテスト(※2)を行い「疲労困憊に至るまでの時間」や「VO2 Peak(※3)」等を測定しました。
※2 漸増負荷ぺダリングテスト:徐々に負荷を増やしていく運動テストで、被験者の持久性運動パフォーマンスを評価します。
※3 VO2 Peak:実施した運動における酸素摂取量の最高値で、高いほど有酸素能力が高いことを示します。

試験食品:
イミダ配合パウダー(イミダ0.5g/包)を3包/日で摂取
(プラセボはイミダ非含有)

試験風景(イメージ):
漸増負荷ぺダリング運動を実施

研究結果

イミダを摂取した群では、摂取前に比べて疲労困憊までの時間が延長していました。また、被験者のVO2 Peakも増加していることも確認いたしました。VO2 Peakは、被験者の有酸素能力の指標であり、値が大きいほどマラソンなど持久力を要する運動に有効であることを意味します。一方で、プラセボを摂取した群では、同様の効果は認めらませんでした。

結論

イミダを摂取することで持久力が向上しており、マラソンなどの有酸素運動に有効であることが示唆されました。

※以下、結果の一部です(被験者:11名(イミダ摂取6名、プラセボ摂取5名)、○は被験者1名を指し、●は群の平均値を指します)
漸増負荷ペダリングテストにおける疲労困憊までの時間

漸増負荷ペダリングテストにおけるVO2 Peak の比較

イミダを摂取している被験者において、疲労困憊までの時間とVO2 Peakに有意差が認められています。

※ニュースリリース掲載時点の情報となります。今後、変更となる場合もありますのでご了承ください。