食品メーカーによる食物アレルギー協同取り組み「プロジェクトA」
小学生に向けた食物アレルギーに関する「副読本」を増刷
小学校への無料配布案内を12エリア追加
2021年9月30日
オタフクソース株式会社
ケンミン食品株式会社
株式会社永谷園
日本ハム株式会社
ハウス食品株式会社
食物アレルギー配慮商品を持つ食品メーカー【オタフクソース、ケンミン食品、永谷園、日本ハム、ハウス食品 ※五十音順】は、『食物アレルギーの有無にかかわらず、みんなで食事をおいしく楽しめる社会の実現』に貢献することを活動理念とし、食物アレルギー配慮商品の普及やレシピの協同開発、啓発活動に取り組んでいます。わたしたちは、この協同取り組みを「プロジェクトA」と名付け活動しています。
この度、2021年5月より一部のエリア(東京都・大阪府・兵庫県・広島県)の小学校を中心に案内・配布しておりましたプロジェクトA発行の副読本(※)『知ろう!学ぼう!食物アレルギー ~みんなでいっしょにおいしく食べよう~』(B5判16ページ)を好評につき5万部増刷し、配布案内エリアを拡大します。
副読本は、子どものうちから食物アレルギーへの関心を持ってもらうことを目的に製作。より多くの小学生の知る機会に繋がるよう、9月より、上記4エリア以外の政令指定都市のある12エリアの小学校へもご案内を広げます。お申込みいただいた小学校に順次希望数を無料で配布してまいります。
※上記エリア以外からのお申込みにも対応します
※副読本とは、小学校・中学校などの授業で使用される、文部科学省による検定に合格した「教科用図書(教科書)」を補完する図書。もしくは教科書がない教科の教科書の代わりとして使用される図書。
9月より新たに案内するエリア
北海道、宮城県、千葉県、埼玉県、神奈川県、新潟県、静岡県、愛知県、京都府、岡山県、福岡県、熊本県
理解の広がりが期待される教育現場へ、オンラインでの出前授業展開も予定
初版の3万部は、東京都・大阪府・兵庫県・広島県の4エリアを中心に、約200校へ配布。先生方からは、「食物アレルギーの児童が年々増加している中で、現場としてもありがたい」という声が寄せられました。また、保護者からも興味が示され、「学校で活用してほしい」「食物アレルギーについて、より多くの人に理解してもらえることを期待している」などの反響をいただきました。”みんなで一緒に”食事をおいしく楽しむために、自分でできることを考えて行動することを願う姿勢にも共感をいただいています。
関心の高い教育現場の反響を受け、一人でも多くの方々に、食物アレルギーについて考えていただけるよう、増刷・追加配布を決定しました。また、副読本を活用した「プロジェクトA」によるオンライン出前授業の実施も予定。副読本を配布した小学校のうち希望校での実施を計画しています。今後も、さらなる食物アレルギーの情報発信に取り組んでまいります。
小学校家庭科・健康教育・食育副読本『知ろう!学ぼう!食物アレルギー ~みんなでいっしょにおいしく食べよう~』
【監修】
今井 孝成(昭和大学医学部 小児科学講座 教授)
【編集委員】
曽我部 多美(前全国小学校家庭科教育研究会会長)、桂 恵美(東京都府中市立府中第一小学校養護教諭)
【編集協力】
長谷川 実穂(小児アレルギーエデュケーター 管理栄養士)
【発行】
プロジェクトA(オタフクソース株式会社・ケンミン食品株式会社・株式会社永谷園、日本ハム株式会社・ハウス食品株式会社)
【制作】
株式会社全教図
副読本「知ろう!学ぼう!食物アレルギー ~みんなでいっしょにおいしく食べよう~」概要
食物アレルギーの症状は、大人よりも子どもにあらわれる傾向がある一方で、子どもの頃に食物アレルギーについて知る機会は多くないことから、教育現場での情報発信により、子どものうちから食物アレルギーへの関心を持ってもらうことを目的としています。授業やその情報によって、食物アレルギーの有無に関わらず、食物アレルギーへの理解を深め、この副読本によるみんなで一緒に食事をおいしく楽しむために、自分でできることを、考えて行動することに繋がるよう願っています。
学習の理解度が高まる小学校5~6年生を主な対象とし、家庭科や保健、総合学習などの授業での活用を想定しています。
“食物アレルギーとは何か”から始まり、一から食物アレルギーに対する理解を深めてもらえる構成になっています。食物アレルギー表示の事例や食物アレルギー配慮レシピなど、食品メーカーならではの情報を交え、身近でわかりやすい内容を目指しました。
今回の副読本は、学校向けの出版物を得意とする株式会社全教図様に製作・配布と、学校への窓口となる事務局を委託しております。
●申し込みに関するお問い合わせ:全教図 副読本係
TEL:03-5974-6121 / FAX:03-3915-6564 / E-mail:info@zenkyozu.co.jp
副読本の製作にあたり、アレルギー専門医と教育者にそれぞれ監修・編集委員として参画いただきました。
監修
今井 孝成
昭和大学医学部 小児科学講座 教授
“食”は生きるためにすべての人が営む行為です。この“食”に制限が加わる食物アレルギーの子どもたちにとって、「みんなでいっしょにおいしく食べる」ことは容易なことではなく、時にひとり辛く不安な思いをしているかもしれません。そうした彼らに、友達や先生が手を差し伸べられたら、どんなに安心できることでしょう。この副読本は、そうした思いを込めて作られました。食物アレルギーの子どもたちも、「みんなでいっしょにおいしく食べる」ことが当たり前のように実現しますように!
編集委員
曽我部 多美
前全国小学校家庭科教育研究会 会長
この副読本は、子供たちが主人公と一緒に、楽しく自然に「食物アレルギー」について学んだり、考えたりすることができるような展開になっています。そのため、読み物としても、また、家庭科、総合的な学習の時間、特別活動、食育の授業の中でもしっかりと活用できるようになっています。この副読本で「食物アレルギー」を正しく理解し、みんなで一緒に食べることの楽しさについても、味わってほしいと思います。
●「食物アレルギー」って何だろう(P2-P5)
食物アレルギーのあるエイミが転校してきたことから始まり、食物アレルギーとは何か、人にうつらないことや好き嫌いではないことを伝えます。また食物アレルギーの症状は人それぞれで違うことや食物アレルギーの原因になる食べ物について説明します。
●さがしてみよう給食の工夫(P6-P7)
給食を題材に、エイミが食べられるメニューや材料に違いがあることを伝え、食物アレルギーに対応するための工夫について説明します。献立表における違いや、通常の給食と間違えないように食器やトレイの色を変える工夫などを紹介しています。
●食品の表示はとても大切(P8-P9)
放課後の公園でのお菓子をきっかけに、食物アレルギーの原因になる食べ物が入っているかどうかを知りたい時は表示を見ることが大切であることや食物アレルギー表示の見方について学べます。
●同じ食事をいっしょに食べよう(P10-P14)
休日にエイミの家に遊びに行くことをきっかけに、食物アレルギーがあってもなくても、工夫によってみんなで同じものを食べられることを伝えます。卵や乳製品、小麦アレルギーの場合の食べられる工夫、食物アレルギーに配慮した商品やレシピを紹介します。
●いっしょに食べると楽しいね(P15)
最終章ではまとめとして、食品表示を確認したり調理の工夫をしたりすることで、食物アレルギーがあってもなくても一緒に食事が楽しめることを振り返ります。