ニュースリリース 2023年

日本ハム 農林水産・食品産業技術振興協会会長賞を受賞
~豚のAI発情検知システムの開発に関する取り組みが評価~

2023年11月22日
日本ハム株式会社

日本ハム株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:井川 伸久)は、豚のAI発情検知システム(PIG LABO® (ピッグラボ)Breeding Master)開発の業績が評価され、令和5年度(第24回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰(公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会会長賞)※1を受賞しました。

※1 本表彰は、農林水産省及び公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会が、農林水産業その他関連産業に関する研究開発のうち民間が主体となって行っているものについて、その一層の発展及びそれに従事する者の一層の意欲向上に資するため、優れた功績をあげた者に対して授与するものです。平成12年度より毎年行われており、今回が第24回目となります。

豚のAI発情検知システムの開発に関する取り組み

世界人口の増加に比例して高まる食肉需要に対して、日本国内では豚肉消費の約半分を輸入に頼っています。将来の安定供給の面から国内での養豚生産の重要性が増す一方で、畜産農家数の減少や養豚経営形態の変化、熟練した養豚従事者の高齢化に伴う飼育技術の継承問題など、養豚・畜産業を取り巻く環境は厳しくなりつつあります。
この度受賞した「PIG LABO Breeding Master」は、人手による豚の発情確認作業を最大79%削減することが確認され、労働環境改善や生産性向上、ひいては養豚業の活性化支援に繋がるとして評価されました。
今後、母豚の繁殖から仔豚の育成、出荷までの全ステージにおいて、飼育作業をサポートするシステムを2029年までに実現することで、養豚・畜産業の活性化と社会・地域課題の解決を目指していきます。

PIG LABO Breeding Master

母豚から仔豚、出荷までの全ステージにおける飼育作業をサポートするシステム「PIG LABO」の中で、繁殖を対象とした『発情検知機能』を提供するサービスです。熟練の技術と経験を持った飼育員の発情判断ノウハウを基にAIを開発しており、豚舎に設置した専用カメラの画像からAIが自動で豚の行動を分析し、発情しているかどうか(種付け適期)を判断します。
このため、人による豚の発情確認作業を最大79%削減できるようになったほか、作業者の熟練度に関わらず、発情判断の技術レベルを安定的に高く維持することが可能となります。

(PIG LABO Breeding Master 提供イメージ)

ニッポンハムグループは、Vision2030「たんぱく質を、もっと自由に。」の実現に向けた取り組みの一つとして「たんぱく質の安定調達・供給」の具現化に取り組んでいます。世界的な人口増加や気候変動などに伴い、たんぱく質の供給難が予測される中、私たちは、たんぱく質の安定調達と供給を目指し、これまでの品質に対する安全・安心への取り組みに加えて、サプライチェーンにおける環境や人権・動物福祉などの社会側面を配慮しつつ、多様なたんぱく質への取り組みを推進しています。こうした取り組みの一つとして、「PIG LABO」は、豚、人、地球にやさしい、新しい畜産のカタチを創造することを目指しています。

11月21日 東京都内にて表彰を受けるPIG LABO®開発チーム 授賞式の様子

※ニュースリリース掲載時点の情報となります。今後、変更となる場合もありますのでご了承ください。