ニュースリリース 2006年

ブタ血管を原料とした機能性美容素材「P-エラスチン」を開発
~高純度エラスチンペプチドの工業生産に成功~

2006年10月3日
日本ハム株式会社

日本ハム(株)中央研究所では、このほど、独自の製法によって機能性美容素材「P-エラスチン」を開発いたしました。これは、美容素材として注目を集めるエラスチンペプチドで、ブタの血管を原料として抽出・酵素分解・精製した90%以上という非常に高純度のもの。これまでのエラスチンペプチドはそのほとんどが魚由来でしたが、今回当社が開発した「P-エラスチン」はブタを原料としたものとして業界初となります。ブタのエラスチンはアミノ酸組成の面で、ヒトのエラスチンと類似しており、より高い機能性を発揮できます。また、原料は国産に限定しております。
今後は機能性美容素材として、更なる研究を進めていく予定です。

エラスチンとは?

エラスチンとは、皮膚や血管などの弾性に富む組織に多く含まれるタンパク質の一種。コラーゲンと共に組織を形成し(図1)し、柔軟性をもたせる働きを担っています。皮膚でのエラスチン含有量は20歳代後半をピークに減少していくことから(図2)、ヒトが若々しい肌を保つために重要なタンパク質であるといわれ、美容素材として注目されています。

図1.皮膚(真皮)の構造

図2.加齢に伴う皮膚中エラスチン含有量の変化(Bjorn Obrinkら)

開発の経緯と今後の展望

高齢化社会が本格化するなか、アンチエイジングを訴求した商品に対する消費者ニーズが高まっています。当社ではこれまで、ブタやニワトリ由来のコラーゲンペプチド素材(C-LAP、P-LAP)を機能性美容素材として開発、上市してきました。
そこで今回は新たに、コラーゲンと共に皮膚や血管の機能維持に働くエラスチンに注目。エラスチンは不溶性のタンパク質であるため抽出や低分子化が難しいといわれる素材ですが、ブタの血管を原料として工業生産可能な高純度エラスチンペプチド「P-エラスチン」の開発に成功しました。

「P-エラスチン」の特長

その1 ブタ由来であること。

ブタ由来のエラスチンはアミノ酸組成の面で、ヒトのエラスチンと類似しており、ヒトに対してより高い機能性を発揮しうるものと期待できます。尚、原料は国産に限定しております。

その2 高純度であること。

当社独自の製法により、90%以上という高純度のエラスチンペプチドを精製することができました。(純度算定に関しては以下のとおり)

エラスチンペプチドの純度算定方法を確立

エラスチンは水に不溶性のタンパク質であるため、これまでエラスチンペプチドの純度を測定することは困難とされてきました。(市販されている魚由来のエラスチン素材でも純度は不明瞭でした)。
そこで、当社ではエラスチン特有のアミノ酸2種類(デスモシン、イソデスモシン)を指標として、エラスチンペプチドの純度を算定する換算方法を確立しました。確立にあたっては、北海道大学農学部の中村富美男教授と共同で研究を行いました。
これにより、今回当社が開発した「P-エラスチン」はエラスチンペプチド90%以上の高純度素材であることが実証されました。

※ニュースリリース掲載時点の情報となります。今後、変更となる場合もありますのでご了承ください。