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2015年 ニュースリリース

2015年5月29日
日本ハム株式会社

「家畜飼料用乳酸菌」の特許申請データに関する社内調査のご報告

当社中央研究所(茨城県つくば市、以下「研究所」といいます。)にて2010年に特許(「イムノグロブ リンA誘導能の高い新規乳酸菌」特許第4565057号)を取得した家畜飼料用乳酸菌(以下「当該乳酸菌」といいます。)について、特許の申請後成立前に実施した研究において、特許申請内容通りの効果が確認できないことが判明したにも関わらず、特許手続を進行させて、特許を取得するとともに、当該乳酸菌を使用した豚用飼料を製造販売するお取引先製薬会社1社(以下「A社」といいます。)とライセンス契約を結び、それを継続していたことが分かりました。
その内容と対応、原因および再発防止策につきまして、ご報告させていただきます。
なお、当該乳酸菌を使用した豚用飼料について、安全上の問題は全くございません。また、当該豚用飼料にて飼育・生産された「豚肉」についても、安全上の問題は全くございません。
本件につきまして、お客様及び関係各位の皆様に、ご迷惑をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。

1.社内調査によって判明した事実

  • 研究所にて当該乳酸菌について、特許の申請後成立前に実施した研究(改良株の開発)で特許申請内容である「豚の免疫機能を顕著に高める効果」が確認できないことが判明していたにも関わらず、そのまま特許取得手続を進め、取得していたことが分かりました。
  • 研究所は、この当該乳酸菌を用いた豚用飼料を製造販売しているA社と、特許申請後独占販売のライセンス契約を結びました。また、A社より2,268万円のライセンス料を受領していました(2009年5月~2015年2月累計)。なお、特許によるライセンス契約は、この1件のみです。

これまでの経緯

2005年4月 当該乳酸菌の開発開始
2008年11月28日 A社と当該乳酸菌の取引開始
2009年3月30日 研究所が、当該乳酸菌の特許を申請【参照(1)】
2009年4月17日 A社とライセンス契約を締結
2009年8月 A社からの要請により、当該乳酸菌の改良研究に着手
2009年8~9月 当該乳酸菌の改良株を開発するも、特許申請時と同程度の豚の免疫機能を高める効果が見い出せず、原因追究開始
2009年11月 特許申請時に使用した乳酸菌に別の菌が残存していたため当該乳酸菌には豚の免疫機能を顕著に高める効果がないことが判明【参照(2)】(是正措置を執らないまま審査請求へ)
2010年5月24日 審査請求
2010年8月6日 特許登録
2015年3月23日 当社コンプライアンス部に内部通報
2015年3月24日~4月30日 内部調査(通報者ヒアリング等)実施
2015年5月1日~6日 調査チームによる現地調査(パソコン、サーバー、データ等の証拠保全、研究ノート、会社貸与携帯等関係資料の回収等)実施
2015年5月7日~25日 保全証拠の精査および研究所員(勤続5年以上47名)に対し弁護士(14名)主導によるヒアリングの実施

【参照(1) 当該乳酸菌の特許申請内容】

当該乳酸菌は、豚の腸内菌から抽出されたものであり、当該乳酸菌を豚に餌として与えることによって、他の乳酸菌と比べ、豚の腸管内における免疫能力を高め、病気になりにくくする効果が顕著に認められるとして特許を申請しました。当該乳酸菌は、ライセンス契約に基づきA社にて製造し、豚用飼料に使用されています。

【参照(2) 特許申請データが誤っていた原因】

A社からの要請で当該乳酸菌の改良が必要となり研究に着手したところ、その研究開発過程において、免疫機能を高める効果が認められませんでした。詳しく調べた結果、特許申請時に使用した乳酸菌には、豚の腸内菌から当該乳酸菌のみを抽出する過程で、完全に排除すべき別の菌が単純ミスにより残存していたことが原因です。

【調査チームによる調査結果概要】

(調査チーム構成メンバー)
日本ハム(株)常務執行役員・リスクマネジメント委員会委員長(総務部・人事部・法務部・エンジニアリング部担当)、同執行役員・コンプライアンス部長、同法務部長、同法務部・コンプライアンス部・IT戦略部員計7名、弁護士3名、弁理士1名の合計14名

(調査結果概要)

  • 弁護士同席の上、厳格な現地調査を実施。パソコン類の電子データと研究に関連する書類等を完全に保全しました。
  • 保全した証拠類を元に、調査を行い、今回の事態を把握しました。
  • 弁護士主導のもと、弁理士にも技術的な点について協力を得ながら研究所員のヒアリングを実施しました。
  • 結果、当該乳酸菌開発担当者(3名)が、当該乳酸菌に特許申請内容である「豚の免疫機能を顕著に高める効果」がないという事実を、上司である課長および次長へ報告しましたが直接判断を下しませんでした。そのため、同事実がそのまま研究所所長(以下、「当該所長」といいます。)に上がったものの、当該所長は適切な是正措置を執らなかったという事実が確認されました。以上のことから、当該所長を含めて、合計6名の直接および間接関与があったと確認しております。

2.2009年11月当時、研究所が適切な措置を執らなかった理由

研究所では、当時既にA社とライセンス契約を結んでいました。又、当該乳酸菌(改良株を含む。)については、特許に謳っている他の乳酸菌に比して「豚の免疫機能を顕著に高める効果」までは認められないものの、農場で実際に給餌を行った試験では、一定の効果が認められた為、最終的に当該所長が「効果があるのだから良い」という安易な判断を行いました。従いまして、研究倫理・コンプライアンス意識が欠如していたことが最大の原因です。

3.現状の対応

  • (1)
    特許の取り下げ手続に入りました(2015年5月22日より手続開始)。
  • (2)
    研究所の新たな対外業務を一旦停止します(2015年6月1日から3か月間の予定)。
  • (3)
    A社へご報告を行いました(2015年5月25日)。今後は、ライセンス料の返納等必要な手続を進めてまいります。

4.再発防止策(3か月を目処に実施予定)

  • (1)
    研究所マネジメント体制の刷新、組織や責任体制等の見直しを行い、研究内容や検査内容のチェック体制を強化します。
  • (2)
    2チーム研究体制など相互牽制機能の仕組みを構築します。
  • (3)
    外部によるチェック体制の策定を行います(研究評価委員会の設置を検討)。
  • (4)
    外部専門機関での研究倫理研修を実施します。
  • (5)
    研究コンプライアンス責任者を研究所内に設置します。
  • (6)
    全研究所員向けコンプライアンス研修を実施します。

5.処分

厳正に対処します(1か月以内を目途に実施予定)。

以上

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