たんぱく質とは

たんぱく質って本当は一体何モノなんでしょう?血液や筋肉、骨をつくる大切な栄養素だということはご存じだと思いますが、口から入ったたんぱく質は、体のなかでどんな旅をして、どんな変化をするのでしょうか?たんぱく質をより深く知って、たんぱく質博士になりましょう。

たんぱく質はアミノ酸のかたまり!?

たんぱく質とは、20種類のアミノ酸が結びついてできあがった物質です。

たんぱく質を構成するアミノ酸は20種あります。そのうち11種については、ヒトは体内で合成することができますが、残りの9種は体内でつくることができません。この9種は食事から直接とる必要があり、必須アミノ酸または不可欠アミノ酸とよばれています。

必須アミノ酸(9種)
食事からでしかとることができない

体内では合成されない、または合成されにくい

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No 必須アミノ酸 必須アミノ酸を含む食品
1 バリン レバー、チーズなど
2 イソロイシン ロースハム、牛乳など
3 ロイシン 鶏肉、カツオなど
4 メチオニン ロースハム、マグロなど
5 リジン マアジ、納豆など
6 フェニルアラニン マグロ、鶏むね肉など
7 トリプトファン レバー、チーズなど
8 スレオニン マグロ、鶏むね肉など
9 ヒスチジン カツオ、マイワシなど

非必須アミノ酸(11種)

体内で合成される

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No 非必須アミノ酸 非必須アミノ酸含む食品
1 アルギニン ロースハム、豆乳など
2 グリシン 車エビ、豚ひき肉など
3 アラニン レバー、シジミなど
4 セリン 牛乳、大豆など
5 チロシン ロースハム、マグロなど
6 システィン にんにく、たまねぎなど
7 アスパラギン アスパラガス、もやしなど
8 グルタミン 肉類、魚類、卵など
9 プロリン 豚肉、小麦など
10 アスパラギン酸 アスパラガス、ソラマメなど
11 グルタミン酸 昆布、味噌、チーズなど

※アルギニンは小児では必須アミノ酸に含まれる

私たちの体を構成するたんぱく質は、日々作り変えられています。筋肉や臓器などの古くなった部分は、体の中で分解され一部は再利用されるものの、大部分は体の外に排出されます。そして、食事でとった新しいたんぱく質を材料にし、作り変えられるため、私たちはたんぱく質を日々の食事でとり続けることが大切なのです。

たんぱく質の消化と吸収の仕組み

では、たんぱく質は体内でどのように吸収されるのでしょうか?
たんぱく質は消化酵素により分解され、ペプチド→アミノ酸へと姿を変えながら、体の中に吸収されていきます。簡単にいうと、たんぱく質のままでは大きすぎて吸収できないので、アミノ酸の鎖を切り小さくすることで、吸収しやすくしています。

最近サプリメントや健康食品などでよく目にする「ペプチド」とは、先ほどの分解・吸収の過程からもわかるように、たんぱく質とアミノ酸の中間的な存在のこと。吸収に優れていることや、特有の機能を持つペプチドが多数発見されていることから、注目されています。
食事からとることが難しい時や、特定の機能を求める時には、ペプチドを含む健康食品などを活用するのもよいですね。

たんぱく質がアレルギーの原因に?

たんぱく質は私たちにとって重要な栄養である一方、実は食物アレルギーの原因(アレルゲン)にもなっています。卵や牛乳のアレルギーは、それぞれ卵・牛乳のたんぱく質に反応する抗体を持っているせいで発症します。ただ、アレルギー症状があっても、たんぱく質が生きていく上で必要な栄養素であることに変わりはありません。アレルギーがあるからと、たんぱく質を避けすぎず、摂取可能な食品でたんぱく質を補うように心がけましょう。

たんぱく質は、バランスを意識して!

たんぱく質は、大きく「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」の2種類に分けられます。

動物性たんぱく質
植物性たんぱく質

この2つはそれぞれにメリット・デメリットがあります。

「動物性たんぱく質」は必須アミノ酸が多く含まれています。動物性たんぱく質を多く含む食品は、ビタミンB群(特にB12)・鉄・亜鉛・セレンの重要な摂取源でもありますが、同時に脂質を過剰摂取してしまう可能性があります。
「植物性たんぱく質」は大豆を除いて必須アミノ酸に不足があります。つまり、食材によってはすべての必須アミノ酸を補うことができません。
植物性のたんぱく質を多く含む食品は、炭水化物・食物繊維などの重要な摂取源でもあります。

「動物性たんぱく質」と「植物性たんぱく質」の両方をバランスよく食事に取り入れることが大切です。ちなみに、おすすめの食材は食肉や乳製品、大豆などが挙げられます。これらは、必須アミノ酸がバランスよく含まれた良質なたんぱく質なので、日々の食事に積極的に取り入れてみてください。