たんぱく質の役割

たんぱく質は体をつくる以外に、どんな働きをしているのでしょう?血液や筋肉、骨や髪の毛のほかにも、ホルモンやエネルギーにも変身するたんぱく質。たんぱく質の役割がわかれば、ご自身やご家族の健康を考えるきっかけになるはずです。

体のどのくらいが、たんぱく質?

たんぱく質は、体を組成する物質のなかで水分の次に多い成分です。また、たんぱく質は体を作るだけではなく、成長や健康にも関わる大切な栄養素なので、年齢に合わせて必要量が変わってきます。たとえば、アルギニンは成人では必須アミノ酸に含まれませんが、小児では必須アミノ酸の一つと数えられます。たんぱく質は成長期に必須の栄養素です。お子さんが、意識してたんぱく質をとる必要があるのは、このためなのです。

臓器も筋肉でできている

たんぱく質が筋肉を作ることはよく知られていますが、筋肉は運動するためだけに必要なものではありません。心臓を動かしている「心筋」や、消化管や血管の壁となる「平滑筋」など、臓器を動かしているのも筋肉なんです。つまり、たんぱく質が不足すると、日常的な動作に支障をきたすだけでなく、生命活動を維持する基礎代謝にも悪影響があり、運動するしないに関係なく、生きている限り欠かすことのできない栄養素です。

やる気や元気もたんぱく質がつくってくれる

たんぱく質は筋肉や血液、骨など体の組織を作るだけでなく、アミノ酸の組み合わせや種類・量などの違いによって形や働きがたくさんあり、酵素やホルモン・免疫物質になってさまざまな機能を担っています。たとえば、やる気を出してくれるドーパミンや気持ちをリラックスさせるセロトニンなどの神経伝達物質、心身の安定につながることから、俗に「幸せホルモン」とも呼ばれていますが、これらはアミノ酸からできており、たんぱく質が関わっています。

たんぱく質不足で、神経伝達物質の分泌量や働きが鈍り、その結果メンタルが不安定になったり、ストレスが溜まったり…。移動や人との接触が制限され、心身に不調をきたす方が増えている昨今。改めて、たんぱく質の大切さが見直されています。