たんぱく質がとれる食品

たんぱく質をどんな食品からとっていますか?効率よくたんぱく質をとるために何を食べればいいのか、食品選びのポイントをご紹介します。

たんぱく質の摂取源1位は肉類、2位は意外にも〇〇

私たち日本人のたんぱく質摂取状況を知るために、まずは厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」の「たんぱく質、脂質、炭水化物の食品群別摂取構成比(20歳以上)」を見てみましょう。

たんぱく質、脂質、炭水化物の食品群別摂取構成比(20歳以上)

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※「令和元年国民健康・栄養調査」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/000711006.pdf)を加工して作成

たんぱく質の摂取源1位は肉類ですが、意外にも2位は「穀類」。ご飯やパン、麺類なんです!穀類というと炭水化物のイメージがありますが、実は同時にたんぱく質もとることができます。
ただし、穀類のたんぱく質には一部のアミノ酸が不足しています。穀類で不足するアミノ酸を補えるのは、肉・魚・卵・大豆など。たんぱく質を効率よく体で使うためにも、主食となる穀類に、良質なたんぱく質を含む肉類や大豆などをおかずとして添えるのがベストです。

つまり、私たちになじみ深い「白米+肉(または魚や大豆製品)のおかず」といった組み合わせは、効率よくたんぱく質をとる観点から、とても理想的なメニュー構成だと言えるのです。

たんぱく質の量で見る、おすすめ食品

日常の生活で不足することなく、たんぱく質を食べるために「よく食べている食品に含まれるたんぱく質の量」を知りましょう。

必須アミノ酸がバランス良く含まれる食材とたんぱく質含有量(g/100g)

16.6g

15.6g

20.7g

12.3g

3.3g

可食部100gあたりのたんぱく質の量を示した図をみると、肉類は、たんぱく質の割合がとても高いことがわかります。また、たんぱく質の摂取量を考えた時に、もう一つ大切なポイントがあります。それは「食生活へのとりいれやすさ、つまり食べやすさ」です。

たとえば「煮干し」で見ると、可食部100gあたりのたんぱく質含有量はなんと64.5g!水分が抜けている分、数値としてはずば抜けていて、100g食べれば18歳以上の男性の約1日分のたんぱく質量をとることができますが、現実的ではありません。肉類や魚類、大豆や卵といった食品は、たんぱく質の密度が高い上、1回である程度の量をおいしく食べられることから、メインの料理の食材として私たちの生活に定着したことがみえてきます。

“食べやすさ”でいうと、簡単な調理だけでおいしく食べることができる「ハム」や「ソーセージ」などの加工品もおすすめです。生のお肉に比べて保存もききますし、忙しい時にもたんぱく質をとりやすく、たんぱく質のおかずをもう1品プラスしたい時などにも役立ちます。

一般的なハム、ソーセージそれぞれのたんぱく質含有量は以下の通りです。
●ハムのたんぱく質含有量:18.6g/可食部100gあたり
●ウインナーソーセージのたんぱく質含有量:11.5g/可食部100gあたり
※出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)(https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html

スーパーでよく見かけるウインナーソーセージの重さは1本あたり20g~30gが一般的です。献立作りの参考にしてみてください。

わたしたちの身近な食品に含まれるたんぱく質の量は、文部科学省のホームぺージでもデータが公開されている「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」でチェックすることができます。また、加工食品には、栄養成分表示がされています。カロリーの他、たんぱく質や脂質、炭水化物、食塩の量が記載されています。栄養成分表示の確認は、栄養素のとり過ぎや不足を防ぎ、バランスよく食べる第1歩です。たんぱく質を意識するあまり脂質のとりすぎにつながることもありますので、たんぱく質の量と同時に、脂質の量を確認することも大切です。

吸収率で見る、おすすめ食品

「肉類のたんぱく質含有量」について先ほどご紹介しましたが、「吸収率」で見た場合は、肉類はもちろん、乳・大豆製品もおすすめです。
たんぱく質吸収率の指針となるのが、新たな評価基準として今注目されている「DIAAS(消化性必須アミノ酸スコア)」。

このDIAASでは肉類も高スコアですが、同様に乳たんぱく質と大豆たんぱく質も高スコアとなっています。つまり、乳製品と大豆製品なんですね。なかでも「牛乳」や「豆乳」は、液体で消化もしやすいので、子供や食の細い高齢者にもおすすめです。

※DIAAS=食品中の必須アミノ酸含量×個々の必須アミノ酸の消化吸収率(回腸までの消化吸収率)

やっぱり“おいしい”が一番!

ここまで「含有量」や「吸収率」など、食品選びのポイントをご紹介してきました。でも、あまり意識しすぎて“食べたい食事”にならず、おいしく食べられなかったり、食欲が減退して楽しめなければ本末転倒です。日々の食事を振り返る機会を持ちながら、おいしさを大切に食事の時間を楽しみましょう。