中期経営計画2026

ニッポンハムグループは、2030年のありたい姿Vision2030 “たんぱく質を、もっと自由に。”の実現に向けて、2025年3月期~2027年3月期の3カ年の経営計画として「中期経営計画2026」を策定しました。中期経営計画2026は「たんぱく質の価値を共に創る企業へ」をテーマとして掲げ、たんぱく質を日本で最も供給する食品企業から、たんぱく質の価値を共に創る企業への変革を目指します。

全体構想と経営目標

中期経営計画3カ年の数値目標

中期経営計画2026の経営課題と変革テーマ

Vision2030の実現に向けて、構造改革と成長戦略、風土改革に取り組み、更なる成長を目指します。中期経営計画2026は、2029年3月期における事業利益790億円以上を達成すべく、バックキャスト視点で構造改革と成長戦略に取り組み、事業の入れ替えによる最適事業構成の実現を目指します。同時に、風土改革として挑戦する組織風土の醸成にも取り組みます。

ビジネスモデルの変革に向けた戦略

「構造改革」「成長戦略」「風土改革」を事業戦略へ落とし込み、経営のリーダーシップを発揮してやり切る体制を構築します。それぞれのテーマは下図の通りです。

事業戦略:ROIC経営の再構築

中期経営計画の最終年度である2027年3月期におけるKPIとして、構造改革は100億円、成長戦略は60億円の効果を目指します。
加工事業本部は、低収益から脱却し、強い収益基盤を確立するために、高付価値商品に経営資源を重点的に配分します。食肉事業本部は、フード会社の更なる販売力向上に向けてマーケティング機能を強化します。海外事業本部は北米の加工品販売強化やアセアンでの共創の深化による利益の安定化を実現させます。

人財戦略:人的資本を最大化

構造改革、成長戦略を推進するうえで、挑戦する風土の醸成は重要です。特に、変革型経営人財については、役員報酬の指標の変更や次世代経営者の発掘・育成の仕組みづくりとともに、チャレンジができる人財を登用していきます。

サステナビリティ戦略:マテリアリティ実践を通した社会課題解決

事業活動を通した社会課題の解決を基本として、ありたい姿の実現に向けてサステナビリティ戦略を実行していきます。サステナビリティ戦略を実行するうえで、「食べる喜びの提供」「新たな価値の創出」「地球環境の保全」「レジリエントな事業基盤の強化」の4つの柱を設定し、そのうえで新しく改訂したマテリアリティの取り組みを進めます。

財務戦略:資本コストを上回るリターンの追求と資本最適化施策の推進

事業戦略と一体化して推進しつつ、株主資本をコントロールして、最適な負債・資本を実現するための施策を実行します。そのうえで、資本コストを上回るリターンを得ることができる経営体制の構築を目指します。

資本効率の向上に向けて

中期経営計画2026では、収益性の向上と投下資本の最適化を通して、持続的な企業価値向上を目指します。2027年3月期の目標であるROE7~8%、ROIC5~6%の実現に向けて、戦略的なキャッシュ・アローケーションが重要だと考えています。キャッシュ・アローケーションの考え方については下図の通りです。
事業別の資本コストとROICの測定、現場目線のKPI管理による投下資本管理の徹底、資本コストの低減などにより、安定的なキャッシュの創出を目指します。
また、投資に約1,400億円を予定しており、うち約940億円は既存事業の維持更新・構造改革に配分します。残り約500億円はブランド強化や海外事業、R&D、環境関連などへの成長投資に配分します。
DEレシオは0.5~0.6倍を目標としています。2025年3月期における自己株式取得は200億円の取得枠を設定、来期以降も同水準の自己株式取得を行う必要があると認識しています。
成長投資やR&D投資を確保したうえで、株主還元も強化し、戦略的に資金を配分します。