サステナビリティ

生物多様性

国連生物多様性条約の第15回締約国会議(COP15)において、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されました。この枠組みでは「自然と共生する社会」を掲げ、2030年までに生物多様性の損失を止め、反転させるための緊急の行動を取ることが求められています。ニッポンハムグループは、自然資本と深く関わる事業を展開しており、環境保全と資源の持続可能な利用を推進することで、自然との調和を目指しています。

TNFDへの対応

日本ハム(株)は、2024年9月に自然関連財務情報開示タスクフォース(以下、TNFD)の理念に賛同し、TNFDフレームワークに基づきLEAPアプローチ※を活用して、ニッポンハムグループの事業における自然への依存、影響、リスク、機会の評価を実施しました。

  • TNFDにより開発された、Locate(発見する)、Evaluate(診断する)、Assess(評価する)、Prepare(準備する)という4つのステップで構成された対象事業の自然関連課題を明確にする手法

TNFDレポート [PDF:1.51MB]

ニッポンハムグループの事業は、特に原材料や飼料の調達、家畜の生産、食品の製造において自然資本に依存しており、事業活動が生物多様性に影響を与える可能性があります。

自然資本への依存と影響

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バリューチェーン活動 関連活動 依存 影響
調達 飼料・農作物
生産
  • 穀物・農作物に必要な水資源
  • 自然の減災機能
  • 農地の拡大による森林・陸域生態系への影響
  • 灌漑のための取水による水ストレス増加
調達・生産・飼育 家畜の生産
  • 飼料原料の生産
  • 家畜飲用、洗浄のための水資源
  • 農場の拡大による森林・陸域生態系への影響
  • 家畜生産に伴う取水による水ストレス増加
  • 家畜由来の温室効果ガスの排出
処理・加工 食品製造
  • 食品製造に必要な水資源
  • 工場稼働による温室効果ガスの排出
  • 発生する固形廃棄物による汚染

ニッポンハムグループの事業は、特に原材料や飼料の調達、家畜の生産、食品の製造において自然資本に依存しており、依存と影響の評価結果やTNFDセクター別ガイダンス内容を参照し、関係部門を交えた社内ワークショップを経て、ニッポンハムグループにとって特に重要と考えられるリスクと機会を特定しました。
今後特定されたリスクと機会への対応を進め、生物多様性の保全に向けた活動を推進します。

自然環境保全活動

森や川、海は1つの生態系で結ばれ、深くかかわり合って豊かな自然環境を育んでいます。ニッポンハムグループは、自然循環を維持することに配慮し、環境の考え方の「エコサイクル」に基づいてさまざまな環境活動に取り組んでいます。森や海を守ることは、豊かな自然と生物多様性の保全につながります。そのため、森と海の保全活動を推進しています。

森の保全

「アファンの森」再生活動への参画

日本ハム(株)では一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団に賛同し、2005年からオフィシャルスポンサーとして継続的な支援を行い、「アファンの森(長野県信濃町)」における森の再生活動に参画しています。

アファンの森の様子

アファンの森で巣立ったフクロウ

日本ルナの森活動

日本ルナ(株)は、和歌山県が進める「企業の森」事業を活用し、2018年から那賀広域森林組合と森林保全委託契約を結んで、間伐体験などの活動を行っています。

日本ルナの森

活動の様子

海外における植樹活動

タイ日本フーズでは、同国の緑化推進を目的とした植樹活動に2016年より参画し、従業員がボランティアで自社の契約地に植樹しています。これまでに植樹した累計は3,900本になります。
また、苗木を植える土壌には、自社の製造工程で生じる食品残さを堆肥化して使用し、資源の有効活用にもつなげています。

タイでの植林活動①

タイでの植林活動②

海の保全

サンゴの苗づくり活動への参画

西日本フード(株)では2023年より有限会社 海の種の行うサンゴの保全活動に賛同し従業員が沖縄県読谷村でのビーチクリーン活動やサンゴの苗づくり活動に参画しています。

ビーチクリーン活動の様子

サンゴの苗