多様なたんぱく質の提供

たんぱく質は生きるために欠かせない栄養素ですが、これから先、世界的な人口増加による食糧需要増加に対して供給が追い付かなくなると言われています。
ニッポンハムグループは「日本最大級のたんぱく質供給グループ」として、常識にとらわれない自由な発想で、生きる力となるたんぱく質の可能性を広げ、たんぱく質摂取の多様な選択肢を創造・提供していきます。

植物由来のたんぱく質商品の拡充

食生活の多様化が進む中で、たんぱく質摂取における選択肢拡大のニーズが高まっていることを受け、当社グループは“畑のお肉”とも言われるたんぱく質が豊富な大豆を使用した商品を提供しています。
唐揚げやハンバーグなどの調理加工品や魚を使わない代替シーフードなどを、小売り向けコンシューマ商品、外食やコンビニエンスストア向けの業務用商品として幅広く展開しています。
また日本国内だけでなく、植物性由来商品のニーズの高い海外へも輸出しています。
さらに、2023年9月に大豆を原料とした肉代替食品を扱う食品メーカー5社で「日本大豆ミート協会」を設立。一般家庭への普及やルール作りなどを業界で連携していきます。

細胞性食品の研究

世界の食肉需要が拡大する中、将来にわたって安定的に動物性たんぱく質をお届けするために、当社グループは培養した動物細胞を食品製造に活用する技術を開発しています。
その一環として、2019年からは細胞培養のベンチャー企業であるインテグリカルチャー(株)と培養肉に関する共同研究を続けているほか、日本ハム(株)中央研究所でも培養方法や細胞の品質など、効率よく増やす技術課題に取り組んでいます。
2022年10月には、培養肉の細胞を培養する際に必要となる「培養液」の主成分を、これまで用いられてきた動物由来のもの(血清)から一般的に流通する食品由来のものに置き換えて、ウシやニワトリの細胞を培養することに成功し、発表しました。この成功により、培養液のコストで大きな割合を占める動物血清を、安価かつ安定的に調達可能な食品に代替できることになり、将来的な培養肉の社会実装に向けて前進しました。

麹(原料)の研究

当社グループは「麹」を原料とした新たな食品の研究開発に着手しました。麹は、味噌や醤油、酒など、和食をはじめとする伝統的な発酵食品に活用されてきました。“畑のお肉”とも称される大豆に匹敵するほど、たんぱく質や食物繊維を豊富に含んだ栄養価の高い食材であり、将来懸念されるたんぱく質不足の一助になり得ると考えています。