人権の尊重

人権の尊重

基本的な考え方

ニッポンハムグループは、基本的な権利である人権の尊重を重要な社会的責任と認識しています。そのため、人権尊重の考え方と責任を改めて社会に表明し、社会からの期待に応えて実践していくため、2020年12月「ニッポンハムグループ人権方針」を策定しました。
さらに2024年3月には、人権への取り組みをステップアップすることを目的に、人権方針を改訂しました。
この人権方針に沿った形で人権尊重の取り組みをグループ全体で実践し、広く社会から信頼される企業を目指しています。

ニッポンハムグループ人権方針

ニッポンハムグループは「わが社は、『食べる喜び』を基本のテーマとし、時代を画する文化を創造し、社会に貢献する。」という企業理念を掲げ、社会の課題に取組み、持続可能な社会の実現に貢献します。
私たちは、事業を行う過程で、直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを認識し、ビジネスに関わる全ての人々の人権の尊重を表明するために、「ニッポンハムグループ人権方針」(以下、本方針)に従い、人権尊重の取組みを推進してまいります。

  • 基本的な考え方

    ニッポンハムグループは、国際連合「ビジネスと人権に関する指導原則」を基本として、「国際人権章典」、国際労働機関「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」等の人権に関する国際規範を支持、尊重します。

  • 適用範囲

    本方針は、ニッポンハムグループのすべての役員と従業員に適用します。また、ニッポンハムグループのビジネスパートナーに対しても、本方針を支持し、人権の尊重に努めていただくよう働きかけていきます。

  • 人権デュー・ディリジェンス

    ニッポンハムグループは、人権への負の影響を特定するため、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築及び実施するように努めます。ニッポンハムグループの活動が人権への負の影響を引き起こしたこと、または、助長したことが明らかになった場合には、そのような影響を防止し、または軽減するように努めます。

  • 対話・協議

    ニッポンハムグループは、関連するステークホルダーとの対話と協議を通じて、人権尊重の取組みの向上を図っていきます。

  • 役職員に対する教育

    ニッポンハムグループは、その役員・従業員に対し、適切な教育を行います。

  • 情報の開示

    ニッポンハムグループは、人権尊重の取組みについて、適切な情報開示を行います。

  • 責任者

    ニッポンハムグループは、本方針の実行に責任を持つ担当役員を定め、実施を監督します。

  • 本方針の位置づけ

    本方針は、人権尊重の取組みを推進し、ニッポンハムグループグローバル行動基準を補完するものであります。

  • 適用法令の遵守等

    ニッポンハムグループは、その事業活動に適用される国・地域の法令を順守します。国際的に認められた人権と各国の法令に矛盾がある場合には、国際的な人権の原則を尊重する方法を追求します。

2020年12月23日制定

  • ※本方針は、日本ハム(株)取締役会の承認のもと制定しています。

関連する方針など

推進体制

日本ハム(株)は2021年度に人権担当役員を設置し、取締役会長を委員長とする、「サステナビリティ委員会」(取締役会諮問機関)にて人権に関する方針や戦略の策定、グループ各社の取り組み状況の確認などを行っています。その後、その内容をまとめ、決定機関である取締役会に諮っています。
また、サステナビリティ部を主管に、人事部やコンプライアンス部と連携して人権に関する社内啓発を行っています。更に、監査部やコンプライアンス部による事業所訪問時に、人権課題に関するヒアリングを実施しています。

そして、持続可能なサプライチェーンの構築に向けて、サプライチェーンマネジメントにも配慮しています。

推進体制

人権デュー・ディリジェンス

人権デュー・ディリジェンスの取り組みサイクル

人権デュー・ディリジェンスの取り組みサイクル

P.人権への影響評価

当社は全事業における人権のリスクを把握するため、定期的(3年ごと)に人権影響評価を行います。2022年度には人権に関するアンケートをグループ各社に実施し、人権影響評価を行いました。
その結果、「ハラスメント」、「労働安全衛生」、「労働時間」のリスクが高いと特定しました。
これらのリスクに、対策を講じていきます。

D.負の影響防止・軽減

ハラスメントに対する取り組み

一人ひとりがハラスメント撲滅への意識を一層高め、誇れる職場を目指すために、ハラスメントについて正しい理解を得ることが大切です。
そこで国内の事業所では「ニッポンハムグループ ハラスメント防止ハンドブック」を活用した読み合わせを実施しています。またこのハンドブックは、外国人従業員にも理解しやすいよう、英語や中国語など7か国語に翻訳されています。

ハラスメントと思われる事象があった場合には、コンプライアンス部にて事実確認後、人事部で「日本ハムグループハラスメント防止規程」に抵触しているか否かを確認します。抵触してる場合は、懲戒処分案を上程し、その内容を経営会議にて決議します。
案件の事象や再発防止策については、人事部よりニッポンハムグループ内に共有し、各社で再発防止に取り組んでいます。

ハラスメントに対する取り組み

労働安全衛生に対する取り組み

労働災害の発生状況と対策を適時共有できるデータベースを構築し、類似災害の防止や対策の水平展開を実施しています。特に製造工場では、労働安全衛生マネジメントシステムを導入し、定期的に開催する「安全衛生委員会」で点検の状況や従業員の声などを共有しています。また、新入社員向けの労働安全衛生研修実施や、各事業所安全担当者向けの勉強会開催などの労働災害の防止に努めています。

労働時間に対する取り組み

当社グループでは仕事と生活のバランスが取れた職場作りを目指し、生産性を高める働き方を推進しています。
総労働時間の削減に向けては、所定労働時間および時間外労働の削減、年次有給休暇の所得率向上が必要不可欠であり、それぞれに数値目標を設定して進捗を確認しています。また、グループにおける長時間労働の防止として、各社の時間外労働を定期的にモニタリングし、長時間労働が発生する恐れのある事業所に対しては注意喚起を行っています。
さらに、生産性を高める施策としてフレックスタイムや在宅勤務制度などを導入し、フレキシブルな働き方を推奨すると同時に、業務フローの見直し、生産性向上のための研修開催なども行っています。
日本ハム(株)では勤怠システムを通して全従業員の労働時間・休日・休暇の日々管理を行っています。また労使一体となって全社での労働時間委員会、部門別での定期的な時間管理会議にて、従業員の労働時間削減に向けた取り組みを行っています。

C.モニタリング

当社グループは、人権リスクの取り組みに関し、関係する委員会や担当部署で連携し、モニタリングを行っています。
リスクマネジメント委員会では、特定したリスクに関しては、全社リスクとしてその発生状況のモニタリングを実施しています。
コンプライアンス部は、必要に応じてその課題やリスクの高い事業所を優先的に訪問し、人権課題に関してヒアリングを実施しています。
また、監査部は、リスクマネジメント委員会の評価を鑑みながら、全社、全事業所を対象に、全体のリスクアプローチを行い、リスクの程度に応じて監査を実施しています。

A.情報開示

「ニッポンハムグループ人権方針」に則り、人権への負の影響に対処するための取り組みの進捗状況を、自社ウェブサイトや統合報告書などを通じて開示しています。

人権教育・研修

全体教育(人権そのものに対する教育や研修)

ニッポンハムグループでは「ニッポンハムグループ行動基準(日本版)」において、基本的人権の尊重、性別、年齢、国籍、宗教、信条または社会的身分、障がいの有無などを理由に差別的な扱いや嫌がらせを行わないことを定めています。こちらは定期的に各事業所での読み合わせを実施しており、全従業員に対し人権尊重の理念の浸透に取り組んでいます。
また、新入社員研修や管理職研修などの各階層別研修において、「ビジネスと人権」というテーマで人権尊重の必要性を学ぶプログラムを取り入れています。

個別リスク教育(ハラスメントなど)

グループ各社でハラスメントを個別リスクとして設定し取り組んでいます。さらにリスクを低減するため、経営層やマネージャークラスに関しても教育を実施しています。

救済メカニズム

当社グループでは、人権の課題に関して、迅速かつ適切に対処するため、複数の相談窓口を設置しています。
通報者のプライバシーを遵守・保護するため、匿名での相談も受け付けています。