廃棄物/資源利用

家畜排せつ物の有効活用

ニッポンハムグループは、国内で鶏・豚、豪州で牛の飼育から販売までを自社で一貫して行っています。
飼育において発生する家畜排せつ物は、グループ内の廃棄物で最も発生量が多く、環境負荷が高い反面、資源として有効活用が可能です。当社グループでは、堆肥化やバイオ燃料化してCO2排出量削減を図るなどサステナブルな事業活動に取り組んでいます。
これらの資源循環は既に約40年の実績があり、これまで、そしてこれからも取り組み続けていきます。

鶏における取り組み

鶏の飼育において発生する排せつ物(鶏ふん)は、全事業拠点で主に以下の二つの方法を用いて有効活用しています。

堆肥化

鶏ふんの大部分は発酵処理を進め、使用用途に合わせて堆肥および鶏ふん焼却灰を製造しています。
出来あがった堆肥は商品化して販売し、堆肥は近隣農家の畑などで活用いただいています。
例えば、全国有数のゴボウ・長芋産地である青森県にある日本ホワイトファーム(株)東北事業部では製造した堆肥を上北・下北地区の農家の方々に利用いただいています。

燃料化

堆肥化しない一部の鶏ふんは、化石燃料の補助燃料としてバイオマスボイラーで燃やし、鶏舎の暖房や清掃時に使用する温水の熱源として活用しています。
また宮崎県内では、養鶏農家の方々や農事組合法人、企業などと共同出資して2003年に日本初の鶏ふんバイオマス発電事業者を設立し、約20年以上鶏ふんの燃料化に取り組んできました。
また、この事業は経済産業省資源エネルギー庁の「令和5年度(2023年度)地域共生型再生可能エネルギー事業顕彰」にも選ばれました。

鶏排せつ物の有効活用イメージ

豚における取り組み

豚の飼育において発生する排せつ物(豚ふん尿)は、全事業拠点で主に以下の二つの方法を用いて有効活用しています。

堆肥化

豚ふんは発酵処理を進め、使用用途に合わせて堆肥を製造しています。
また豚の飼育を行う日本クリーンファーム(株)のグループ会社では野菜栽培事業も行っており、自社製造の堆肥を用いて栽培した野菜を日本ハム(株)の株主優待品として提供しています。また、2021年度からは小麦を栽培し、その小麦を自社農場の豚飼料の一部として利用する取り組みも行っています。

燃料化

豚ふん尿の一部は嫌気発酵処理され、その際に発生するメタンガスをボイラーの燃料として使用しています。
ボイラーを灯油で燃焼した場合に比べてCO2排出量を削減でき、ひいては家畜由来GHGの排出量削減に貢献しています。

豚排せつ物の有効活用イメージ

牛における取り組み

牛の飼育において発生する排せつ物(牛ふん尿)は以下の方法で有効活用しています。

堆肥化

牛の飼育をしているワイアラ牧場内で発生したふん尿は全量発酵処理を進めて堆肥化しています。
その一部を使って牛の飼料となる大麦や綿実の栽培し、自社飼料工場で牛の健康状態や増体状況に合わせた最適な配合飼料の一部として使用されています。

牛排せつ物の有効活用イメージ