健康増進への取り組み

基本的な考え方

ニッポンハムグループは、消費者の健康増進に寄与することは、食品メーカーとしての重要な使命の一つと考えています。
5つのマテリアリティ(重要課題)」の一つとして「食の多様化と健康への対応」を掲げており、これからも健康志向に対応したアイテムの開発や健康寿命延伸についての情報発信などに注力していきます。

主な取り組み

共通品質として「健康」を明文化

商品を開発する際、「安全性」や「おいしさ」という食品としての基盤となる品質要件に加え、社会課題の解決に貢献する「健康」「環境」「ユーザビリティ」の3つの視点を共通品質として、「品質保証規程」に明文化しました。
「健康」においては、たんぱく質などの好ましい栄養素の摂取拡大を進めるとともに、摂取をためらう理由への配慮や、よりよい食事バランスのための開発設計・情報提供に取り組んでいます。

健康に配慮した開発設計・情報提供の一例

  • たんぱく質を豊富に含む商品の提供
  • 不足しがちな栄養素を補う商品の提供
  • 食物アレルギーや多様な価値観に配慮した商品の拡充
  • 塩分や脂質などを抑えた商品の提供

健康志向に対応したアイテムの拡充

健康志向に対応した商品の開発に注力しています。

■健康志向に対応した商品例

糖質ゼロ・高たんぱく
「ヘルシーキッチン ZERO ロースハム」

カルシウム入り
「皮なし ウイニー」

食物繊維入り
「ナチュミート ハンバーグ デミグラス風」

糖質ゼロ
「ローストサラダチキン プレーン」

ビフィズス菌HN019 使用・カルシウム・鉄入り
「ビフィズス菌 のむヨーグルト」

高たんぱく・脂肪ゼロ
「Ísey SKYRイーセイ スキル バニラ」

健康食品の開発・販売

日本ハム(株)中央研究所では、当社グループが保有する豊かな生物資源を活用し、イミダゾールジペプチドやプラセンタエキス、コラーゲンなどの素材を抽出し、安全性・有効性などを科学的に評価して商品化しています。

オンラインショップ「ニッポンハム ヘルスケアOnline」では、健康食品の販売や、くらしに役立つサービスをお届けし、皆様の健康な毎日をサポートしています。

高齢者のフレイル予防

加齢に伴い心身の機能が低下し、要介護状態に陥る前段階をフレイルと呼びます。
当社グループと関西医科大学は、2022年よりフレイルに関する共同研究を実施。短時間機能訓練型デイサービスに通う要支援・要介護者に、適度な運動に加え、たんぱく質を多く含む加工食品を食べる試験を行った結果、握力と歩行速度が上がり、フレイル予防効果があることをつきとめました。
さらに、2023年には関西医科大学と株式会社平和堂、コガソフトウェア株式会社との間で、「食と運動で健康を科学する」社会連携講座共同研究契約を締結し高齢者のフレイル予防プログラムを開始しました。

老化のメカニズムを解明

加齢による衰えを最新科学でコントロールする――そんな夢のようなプロジェクトが、東京大学大学院新領域創成科学研究科で進められています。日本ハム(株)は、同研究科に「食の未来・エイジングデザイン研究」社会連携講座を設置し、中高齢者を対象とした健康情報の収集や食生活の改善につながる食事介入試験を実施。試験によって得られたデータは、AI技術を駆使して網羅的に解析していくとともに、老化制御に関するメカニズム解明や老化指標の特定につなげていきます。これらによって、高齢者が自ら健康長寿を実現(エイジングデザイン)できるサービスの提供を目指します。

東京栄養サミット2021にてコミットメントを表明

日本ハム(株)は、持続可能な社会の実現に向け、日本政府が主催する国際会議「東京栄養サミット2021」にて、コミットメントを表明しました。
当社グループは、1942年創業以来、企業理念である「食べる喜び」を創造するため、体を構成する「たんぱく質」の安定供給を使命として、事業領域を拡大し、お客様への提供価値を広げてきました。そして2021年度より、これまでの提供価値に加え常識にとらわれない自由な発想でたんぱく質の可能性を広げることで、多様な食シーンを創出し毎日の幸せな食生活を支え続けたいという当社グループの想いを込めた「Vision2030」がスタートしました。今後は社会環境やライフスタイルの変化に対応しつつ、事業戦略とサステナビリティ戦略を両輪で進めることで事業を通じた社会課題の解決に努め、持続的な社会の形成に寄与してまいります。

当社コミットメントの概要

この表はスクロールしてご覧いただけます。

目標・行動計画 主要指標
1.食物アレルギー関連
・関連商品の出荷金額拡大
・新たに表示が義務化される項目の検査キット発売
・2030年度までに出荷金額40億円
・新項目の検査キット発売
2.たんぱく質摂取における選択肢の拡大
・植物由来のたんぱく質商品の拡充拡販
・新たな代替たんぱく質の研究
・2030年度までに出荷金額100億円
・新たなたんぱく質の研究を商品化
3.超高齢社会における健康寿命延伸商品の開発と普及
・認知機能を改善する素材(特許取得済)の商品化
・2026年度までに年間300万食供給

※栄養サミットとは

オリンピック開催の機会を利用し、栄養改善に向けた国際的機運を高めることを目的に開催されるサミットです。
2012年開催のロンドン・オリンピックの最終日に英国キャメロン首相(当時)が主催した「飢餓サミット」を機に、翌2013年に「栄養サミット」がロンドンで初開催されました。
2016年にリオ、2021年12月に「東京栄養サミット2021」が開催されました。