国内畜産業の課題解決

基本的な考え方

世界的な人口増加による食糧需要増加に対してたんぱく質不足が懸念される中、日本の畜産業界には人財確保や飼育員の後継者育成、労働環境の改善、家畜疾病といった様々な課題があります。
日本の畜産業界を持続可能にすることは、食肉を中心とした「日本最大級のたんぱく質供給グループ」である当社グループの社会的責任であると考え、新たな技術開発や人財育成に貢献します。

主な取り組み

スマート養豚システム「PIG LABO®(ピッグラボ)」

日本の人口減少とともに畜産業の人手不足が深刻化する中、養豚はベテラン飼育員の経験に頼る作業が多く、いかに技術を継いでいくかが課題となっています。
ニッポンハムグループは、NTTデータグループと共同でAI・IoTを活用して養豚をサポートするシステム「PIG LABO(ピッグラボ)」を開発。豚舎に設置したカメラやセンサーが飼育データを把握するほか、仔豚の健康や母豚の交配可否などを判別します。
今後は、同システムを当社グループの養豚場に設置するほか、グループ外にも展開し、日本の養豚場および畜産業における課題解決を目指します。

次世代の人財育成

ニッポンハムグループは、次世代の人財育成や畜産業の振興に向けて、帯広畜産大学と2017年12月に包括連携協定を締結し、2018年より同大学の学生や教員向けの実地研修と大学での講義を行っています。
動物の健康管理や防疫、食品衛生の現場を体験する研修を行うことで、畜産業の将来を担う人財に、大学の講義では得られない学びの場を提供しています。そして、国際的に活躍できる畜産技術者の養成、学生に向けたより実践的な教育プログラムの提供、研究成果を社会で活用するための情報共有などを行うことによって、次世代の人財育成・畜産業の振興に貢献しています。

2018・2019年はグループ各社の農場、処理ラインなどを回り、一連の仕事の流れを見学する実習プログラムを行っていましたが、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点からリモートでの特別講義を実施しています。

口蹄疫抗原検出キットの開発・販売

食肉の安定供給を脅かすさまざまな要因のひとつに、家畜疾病の発生とまん延があり、被害を最小限に食い止めるためには、有事の際に早期の防疫体制を確立することが重要です。
日本ハム(株)中央研究所は、家畜の生産現場で簡便かつ迅速に検査できる口蹄疫抗原検出キットの開発を目的として農林水産省の研究助成を受け、2011年度から国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門と共同でキットの開発及び実用化に向けた研究を開始しました。
そして2019年12月、国内初の口蹄疫抗原検出キット「NHイムノスティック 口蹄疫」を発売。2020年度の「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」では、現場に簡単に持ち込むことができ、口蹄疫の初動防疫に大きく貢献する点が評価され、農林水産大臣賞を受賞しました。
この検査キットの供給を通じて、家畜疾病の発生・まん延防止による畜産業の振興と安定的な食肉供給に貢献しています。